研究概要 |
歯周病は細菌感染による慢性炎症疾患である。炎症反応が歯槽骨吸収にどの程度関与するかを検討することが必要である。本研究では,新規炎症性歯周病モデルの確立を試みた。炎症性因子であるTNFを強発現(hTNF-Tg)させたマウスの歯槽骨吸収は増加しなかった。次に, hTNF-TgマウスとOsteoprotegerin(OPG)遺伝子欠損マウスの交配より, hTNF-Tg・OPGヘテロ欠損二重遺伝子改変マウスを交配より得た。hTNF-TG・OPGヘテロ欠損二重遺伝子改変マウスの歯槽骨は軽度に増加した。歯槽骨吸収において, TNF強発現の影響は少ないことが示唆された。hTNF-Tg・OPGヘテロ欠損二重遺伝子改変マウスに歯周病細菌の接種を行い,その歯槽骨吸収量を検討中である。本研究により, TNFの増加のみでは歯槽骨吸収を引き起こすのに不十分であることが示唆された。歯槽骨吸収における炎症反応に対する理解が深まった。
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