研究課題/領域番号 |
22H00082
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
廣田 照幸 (広田照幸) 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
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研究分担者 |
布村 育子 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (70438901)
田中 真秀 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (50781530)
高木 加奈絵 流通経済大学, 法学部, 助教 (50880978)
神代 健彦 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (50727675)
長嶺 宏作 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30421150)
冨士原 雅弘 日本大学, 国際関係学部, 教授 (30339238)
跡部 千慧 東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (70780823)
荒井 英治郎 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (60548006)
岩田 考 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (60441101)
太田 拓紀 滋賀大学, 教育学系, 教授 (30555298)
香川 七海 日本大学, 法学部, 准教授 (20816368)
桑嶋 晋平 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (20909254)
冨永 望 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (20572069)
富山 仁貴 明治大学, 文学部, 専任講師 (30912662)
濱沖 敢太郎 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (80803725)
兵頭 淳史 専修大学, 経済学部, 教授 (30294862)
平塚 力 京都文教大学, 総合社会学部, 准教授 (20515837)
二見 妙子 福岡県立大学, 人間社会学部, 助教 (90757395)
丸山 和昭 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (20582886)
渡邊 真之 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (30999420)
久島 裕介 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 講師 (50999430)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 教職員組合 / 教育労働運動 / イデオロギー / 日教組 / 革新 / 政治的対立 / 日本教職員組合 / 戦後政治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、総評が結成された1950年代から日教組が文部省と和解する1995年までの期間を研究対象に据え、この時期の日教組の教育労働運動の構造と機能を明らかにする。日教組運動史の従来の単純化された記述とは異なり、実際の日教組は、多様なイデオロギーのグループ間の対立や協力から成り立っており、日教組関係の研究所や弁護団、共闘組織などとの関係も流動的で、そこには複雑な構造と過程が存在した。そうした組織内部の多元性を、内部資料と私文書、インタビュー調査を使って整理することで、日教組運動に含まれた多面的な思想史的文脈を整理するとともに、ポスト冷戦期の視点から教育労働運動史の描き直しを行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、総評が結成された1950年代から日教組が文部省と和解する1995年までの期間を研究対象に据え、この時期の日教組の教育労働運動の構造と機能を明らかにするため、内部資料と私文書、インタビュー調査を使って、日教組運動に含まれた多面的な思想史的文脈を整理するとともに、ポスト冷戦期の視点から教育労働運動史の描き直しを行うことをめざしている。 労働運動の視点から考察するグループは時期に沿って、①1950年代まで、②1970年代まで、③1980~90年代の3つに区切り、教育運動の視点から考察するグループは、教研を中心にしたチームと国民教育研究所を中心にしたチームの2つに分け、それぞれ調査・分析の集団として、作業や考察を進めている。1950年代までの日教組については、労働運動第一期グループと、全国教研グループの合同研究会などを通して、おおむね歴史像が明確になってきている。 本研究は、主に2つの取り組みを進めている。(1)研究に利用するための資料の発掘や整理、ヒアリング調査や私文書の整理など、研究に利用するデータを準備する作業を進める。(2)全体会合、グループ会合、チーム会合、PT会合などを重層的に組み合わせて定期的に開催し、史料の整理や研究成果のとりまとめなどに向けた報告を行うとともに、担当部分を超えた時代認識や組織の性格についての理解を深める。 これら2つの作業を進める中で、学会発表や論文投稿の段階に達した研究成果は、順次、個人または共同研究の形で、成果発表を進めてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)研究に利用するための資料の発掘や整理、ヒアリング調査や私文書の整理など、研究に利用するデータを準備する作業については、着実に前進している。日教組が所蔵する膨大な未整理史料のうち、2022年度は、60年代~80年代の史料の一部を整理し、2種類の寄託・借用した私文書史料の整理を進め、重要なもの・劣化の進んだものを中心にデジタル化を行い、研究に利用可能なようにした。また、ヒアリング調査はすでに十数人に実施しているが、2022年度は、広島県教組、公労協関係者などからのヒアリングを進めた。 (2)全体会合、グループ会合、チーム会合、PT会合などについては、年度内6回の全体会をはじめ、グループ会合、チーム会合、PT会合を活発に開催して、個別テーマの考察を深めた。特に、1950年代の教育と政治との関係を中心とした主題、国民教育研究所の設置・運営と研究活動に関する主題についての考察が進んだ。また、これまで進めてきた速記史料解読のとりまとめを、速記関係者と共催でシンポジウムを実施することで、より深い史料の読みと、研究への活用の可能性が確認できた。地方単組のOBへの聞き取り調査も着手することができた。 これら2つの作業を進める中で、学会発表や論文投稿の段階に達した研究成果は、順次、個人または共同研究の形で成果発表を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの延長上で、当面、主に2つの取り組みを進める。(1)研究に利用するための資料の発掘や整理、ヒアリング調査や私文書の整理など、研究に利用するデータを準備する作業を進める。日教組が所蔵する膨大な未整理史料のうち、引き続き60年代~80年代の史料を中心とした史料の整理と、寄託・借用した私文書史料の整理を進め、重要なもの・劣化の進んだものを中心にデジタル化を行い、研究に利用可能なようにしていく。また、国民教育研究所に関わった教育学研究者や、主要な単組の元・委員長クラスを中心としたOBのインタビュー調査を進める。 (2)全体会合、グループ会合、チーム会合、PT会合などは、引き続き定期的に開催し、個別に分担した作業を組み合わせて分析結果についての議論を進め、研究とりまとめに向けた作業を進める。国民教育研究所を主題としたチームと1950年代の研究グループは、それぞれ成果を発表する準備を進めている。2023年度は特に、昨年開催した速記関係者と共催でシンポジウムの成果をとりまとめるとともに、研究会の歩みを自己点検し、今後の新たな研究の方向性への示唆を得ることをめざす。 メンバーによる研究成果の発表は、研究期間内に2冊以上の編著を刊行することを目標に、大まかな構成案を決めて、分担して作業を進めている。
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