研究課題/領域番号 |
22K00064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 大阪観光大学 (2023) 大谷大学 (2022) |
研究代表者 |
清水 洋平 大阪観光大学, 観光学部, 准教授 (50387974)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | タイ仏教 / 東南アジア仏教 / 上座部仏教 / 積徳行 / アーニサンサ / 貝葉写本 / パーリ語文献 / 蔵外文献 / 蔵外仏典 |
研究開始時の研究の概要 |
16~19世紀の東南アジア大陸部:特にタイで編纂された積徳行を勧奨する蔵外文献:アーニサンサを校訂/翻訳/分析し、①伝統的パーリ仏典(正典としてのパーリ三蔵及びその註釈文献:パーリ正典)と対比・校合し、パーリ仏典発展史上におけるアーニサンサ文献編纂の目的とその変遷を究明する。同時に②タイに根付いた在家者の積徳行実践の現実相とその意義解釈について、アーニサンサが果たしてきた役割、更にアーニサンサにおいて出家者側が説法の中でパーリ正典にその根拠を求めつつも教理変容を認容した現実を提示する。 これらは将来にわたる東南アジア文化圏における「積徳行」研究に新しい視座を提供するものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、タイに特徴的な積徳項目が網羅されている『スッタジャータカニダーナ・アーニサンサ』(全30束)について、同集成文献を学問的に初めてローマナイズ/校訂/翻訳(和訳)しパーリ正典との対比・校合を行い、パーリ仏典発展史上におけるアーニサンサ文献編纂の目的とその変遷の解明を目指している。同時に、タイに根付いた在家者の積徳行実践の現実相とその意義・解釈について、当該アーニサンサが果たしてきた役割を明らかにすることを目的とする。令和5年度の研究実績は以下の通りである。
(1)『スッタジャータカニダーナ・アーニサンサ』集成に含まれている文献名と、同名もしくは関係が深いと考えられるアーニサンサ文献の中で、昨年度は『ロークッタラスートラ チュッラカティナ マハーカティナ アーニサンサカター』と題される文献について、コーム文字(主としてパーリ語を記述するために使用された初期クメール文字)で記された同写本文献のローマ字転写作業を行い、パーリ語から日本語への翻訳作業を実施した。しかし、その後の確認作業で、その前後に付されていた2つの文献「ニッバーナスッタ」、「スチローナーマブラーフマナヴァットゥ」も『ロークッタラスートラ チュッラカティナ マハーカティナ アーニサンサカター』と題される写本文献(1束)を構成する内容の文献であることが判明した。よって、本年度はこの2つの文献について、昨年度に行った上記と同様の作業を実施した。
(2)これらの作業・研究に加え、2023年9月に「タイ仏教における布施行の意義付けに関する考察-写本文献『サッバダーナ・アーニサンサ』の集成から-」と題した発表(日本印度学仏教学会第74回学術大会)を行い、当該研究の現在までの研究成果を交えた報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、アーニサンサ文献(『スッタジャータカニダーナ・アーニサンサ』集成に関わるもの)の中から代表テクストを幾つか選定した上で、そのテクストのローマ字転写、校訂、訳出と内容研究を主とする文献研究が柱である。本年度は、所属機関が変わり多忙を極めたことから、ローマ字転写、校訂等を行ったテクストについて、タイの寺院に赴き写本資料を確認しながらの専門家との討議・内容確認ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
文献研究については、国内の研究協力者と定期的に行う研究会を継続し、読解作業を進める。海外の研究協力者との討議・内容研究については、LineやZoomを活用し進める。新たな所属機関に移り2年目となり研究環境も落ち着くため、タイの寺院に赴き写本資料を確認しながらの専門家との討議・内容確認を行う。また、コーム文字タイ語で記された難解な文献資料については、それらの文献の読解に精通している現地研究者2名(研究協力者)と共に、読解作業にあたる。
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