研究課題/領域番号 |
22K01041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡辺 理絵 山形大学, 農学部, 准教授 (50601390)
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研究分担者 |
江頭 宏昌 山形大学, 農学部, 教授 (60223632)
吉田 国光 立正大学, 地球環境科学部, 准教授 (70599703)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 焼畑 / 焼畑地域 / 山形県鶴岡市 / 復活 / 混作 / 混播 / ベトナム / 地域社会 / 持続性 |
研究開始時の研究の概要 |
「未来においても焼畑は維持されていくのか?」というのが、本研究の核心的「問い」である。1960年代以降、地理学における焼畑研究は海外にそのフィールドを移してきた。しかし、60年代以降、現在までつづく日本の「現在進行形の焼畑地域」については地理学的研究の空白が長くつづく。他方、2010年以降には複数の旧焼畑卓越地域で、焼畑の復活・復興が相次いでいる。本研究は「進行形の焼畑」の進化の実相と「復活・復興の焼畑」の成立要因について検討する。これは中山間地域における「焼畑」とそれをとりまく地域社会の強靭性に関する地理学的研究である。
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研究実績の概要 |
今年度は日本国内をフィードとした研究では、現在進行形の焼畑については、山形県鶴岡市温海地域において焼畑が継続する要因の抽出のため、住民へのインタビュー調査を行った。その結果は学術雑誌へ投稿中である。同様に現在進行形の焼畑である福井県福井市味見河内では江戸時代から続く焼畑について、焼畑の歴史や焼畑でつくられる赤かぶの特徴などをわかりやすく一般読者向けに解説する本を刊行した。 つぎに焼畑作物の再検討に関する「混栽・混植・間作」については、混植の実験を山形大学農学部の高坂農場でアワを畑に直播したところ、雑草のエノコログサの芽生えと区別ができず、間引きに支障がでたため、成果が得られなかった。 今年度は気候の影響も大きく受けた。全国的に記録的な暑さが続き、山形県では8月の平均気温が観測史上最も高くなった。これをうけて進行形焼畑におけるスギの枝葉を他所から運び入れ、燃焼材を増やして行う焼畑農業を試みたが、発芽後にカブの生育不良が著しく起こり、燃焼材を増加させた効果をみることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は激烈な猛暑であり8月上旬~9月上旬までの1ヶ月間、降水のない異常気象であったため、予定していた混植の収量比較データに大きな支障が生じた。 さらに鶴岡市温海地域でスギの枝葉を他所から運搬して焼畑用地に敷き詰め燃料材として利用し、温海カブの生育に関する効果を検証する実験を予定したが、火入れまではできたものの、その後温海カブの芽が枯れてしまい、検証できなかった。以上の理由により研究の進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は夏季の想定外の高温による影響を受けたため、2023年度に遂行できなかった研究や実験を2024年度に繰り下げる方向で考えたい。このため、本研究課題の全体の研究期間を1年延長することを視野に入れている。
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