研究課題/領域番号 |
22K03196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
中田 隆行 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00281155)
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研究分担者 |
白川 ゆう子 昭和音楽大学, 音楽学部, 准教授 (40525101)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 音楽共演 / 感覚運動同期 / タイミング知覚 / 同調 / 音楽表現 / 音楽知覚 / 事象関連電位 / 音楽知覚認知 |
研究開始時の研究の概要 |
他者と一定時間、注意を向けて行動を起こすことは人の協調行動の基盤である。他者と音を介してタイミングを合わせた行動を取るためには、音の発生時刻を予測する必要があるが、自然界の現象のリズムパターンには予測しやすい機械的でないものが多い。本研究では、どのようなリズムの変化・崩しが人にとって知覚しやすいのかを検証する。さらに、ヴァーチュアルな共演パートナーをコンピューター・プログラムで作成し、パートナーによるタイミングの補正、リズムの変化・崩し方などの演奏表現、演奏上の役割や音楽経験の程度などの要因が、音楽共演中のタイミング同期、主観的印象と脳内情報処理に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
昨年度作成した演奏経験に関わらずヴァーチュアル・パートナーとの共演を可能とするシステムを用いて、音楽共演場面で他者が産出する音に相互にタイミングを同期させる音楽共演場面で、パートナーによる同期誤差補正と共演上の役割が、タイミング生成の精度と共演課題に対する主観的印象に与える影響を検討するという課題に対して、当年度は国内学会で1件、国際学会で2件の発表、(2)パートナーによる同期誤差補正の水準をより詳細化した実験の実施を行った。(2)では、共演役割(伴奏パート、主旋律パート)に加え、タイミング補正の効果をより厳密に検証するため、パートナーの同期誤差補正を0%、20%、40%、60%に設定し、音楽大学の打楽器専攻学生を対象に、同期の精度と感覚運動同期課題に対する主観的印象を検証した。同期誤差の標準偏差について、同期誤差補正と共演役割の主効果が認められ、パートナーによる同期誤差の補正の程度が高まるにしたがいタイミング産出がより正確になること、主旋律パートよりも伴奏パートで、よりタイミング産出が正確であることを示した。また、同期誤差の補正の程度が高まるとタイミングの合わせやすさの主観的印象も高まることを明らかにした。これらの結果により、音楽共演場面での感覚運動同期場面では、非音楽的音列を用いて示されてきた適度なパートナーの同期誤差補正が精度の向上につながることを、音楽共演場面でも確認できること、そして主観的印象にも影響を与えることを初めて示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当年度分の成果は着実に出ているが、初年度に、複数回、手術を受ける必要があり、初年度の実験の開始を遅らせる必要があったため、半年分程度、計画よりも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
大学生を対象に、パートナーによるタイミング同期補正とこれまでの成果を元により多角的に操作する演奏上の役割が、共演中のタイミング同期精度と共演体験に対する主観的印象に与える影響について実験を行う。さらに、小学生に適切な音楽的音列と実験手続きを採用することで、音楽共演場面でのパートナーによるタイミング同期補正が、子どものタイミング同期精度と共演の楽しさ、パートナーに対する親和性に与える影響について検討する。
昨年度までの研究成果に関して、未発表の成果については国内外の学会で発表を行うとともに、学会での発表済み成果については原著論文として投稿する。
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