研究課題/領域番号 |
22K04087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岡田 実 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (10252587)
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研究分担者 |
DUONG QuangThang 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (40757811)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ワイヤレス給電 / 整合回路 / 走行中ワイヤレス給電 / MIMO / Sパラメータ / 伝送線路 |
研究開始時の研究の概要 |
平行二線伝送線路を用いた走行中ワイヤレス給電において問題となる定在波の問題を解決するため,2ポート結合回路を車載受電用結合回路として用い,この受電用結合回路の各ポートに電源を接続してMIMO(Multiple Input Multiple Output)動作させる方式を提案する.本提案手法では,受電側に接続した2つの電源により,平行二線伝送路上の反射波をキャンセルする.このことにより,伝送線路上の定在波の発生を防ぎ,安定かつ効率的な走行中給電の実現を目指す.
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研究実績の概要 |
伝送線路の両端ポートおよび、複数の受電コイルから構成されるMIMO (Multiple Input Multiple Output)構成ワイヤレス給電システムを仮定し、その電力伝送効率の向上および漏洩電磁界の削減を動的に行う手法を確立することが本研究課題の目的である。従来は受電回路は受動回路素子を用いて共振及びインピーダンス整合を行う構成であった。しかし、この構成では、走行中給電のように時々刻々と結合回路の条件が変動する場合、この変動に追従してパラメータを変更することが困難であり、適応制御が難しいという問題があった。その問題を解決するため、受電側にも電源を配置し、インピーダンス不整合に伴う反射波をキャンセルすることで、動的に適応制御することが可能なMIMOワイヤレス給電システムを構成することを目指す。前年度はシンプルな平行二線伝送線路による簡単なモデルによる解析であったが、本年度は、より現実に近いモデルとして、多数の送信コイルを接続した「メタ伝送線路」および2つのポートを持つ受電コイルを仮定した。多数の送信コイルを接続して、一つの電源から複数の送信コイルに電力を供給する形式は、現在検討されている低周波走行中給電で用いられている形状であり、現実的なモデルとなっている。このメタ伝送線路上の反射波成分を打ち消すように移動体上の漏洩電磁界キャンセル用電源を制御した。その結果、提案手法を用いることで、共振回路が不要で、電力伝送効率の改善効果があることを明らかにした。また、同様に漏洩電磁界の大幅な削減が可能であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現実のモデルに近い送受電結合回路モデルを電磁界シミュレータ上に構築し、その上で、提案方式を用いることで大幅に伝送効率向上と漏洩電磁界削減効果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの検討を踏まえ、複数の送信コイルを縦続接続したメタ伝送線路の小規模実験装置を作成し、移動体受電コイルに配置した電源を制御することで、漏洩電磁界の削減及び伝送効率の工場が可能であることを実験的に示す。また、反射波電力をモニタし、移動体側電源を適応制御する手法を検討する。
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