研究課題/領域番号 |
22K04745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 弓削商船高等専門学校 |
研究代表者 |
福田 英次 弓削商船高等専門学校, 電子機械工学科, 准教授 (30536553)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ポリエーテルエーテルケトン / 3Dプリンタ / 骨類似機能化 / 3Dプリンタ / 生体材料 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリエーテルエーテルケトンは高分子材料のひとつで、生体適合性や生体機能性に優れていることから、医療デバイスとして使用されている。高分子材料を溶融状態にした後、素早く、薄く引き伸ばしながら積層することで立体造形体を得る熱延伸3Dプリンティングという手法を確立することで、ポリエーテルエーテルケトンの高強度化を目指す。本研究では、熱延伸3Dプリンティングで得られる造形体の結晶構造(結晶化度や配向性など)が機械的性質(強度や力学的異方性など)に及ぼす影響とそのメカニズムを明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
ポリエーテルエーテルケトンは高分子材料のひとつで、生体適合性や生体機能性に優れていることから、医療デバイスとして使用されている。本研究では、高分子材料を溶融状態にした後、素早く、薄く引き伸ばしながら積層することで立体造形体を得る熱延伸3Dプリンティングという手法を確立することで、ポリエーテルエーテルケトンの高強度化および骨類似機能化を目指すとともに、熱延伸3Dプリンティングで得られる造形体の結晶構造が機械的性質に及ぼす影響とそのメカニズムを明らかにすることを目指している。 令和4年度は、主として結晶構造や機械的性質の分析に資する種々の造形条件で熱延伸3Dプリンティングした造形体およびその後アニーリング処理した造形体を作製した。新たなスライスソフトを導入したため、これまでとは異なるノズルの走査パターンでの造形が可能となった。得られた造形体について、実体顕微鏡を用いて積層間の接合状況および走査間の接合状況を観察した。また、造形環境を考慮して、フィラメント乾燥供給システムの設置および造形装置内の保温性を高めるため、アルミフレームとアクリル板を用いて3Dプリンタ全体を覆うなどの工夫を施した。 令和5年度は、新たなスライスソフト導入によりノズルの走査パターンの変更をおこなったため、造形条件のうち、ノズルの走査速度と積層ピッチについて重点的にスクリーニングを行った。熱延伸3Dプリンティングで得られる造形体の結晶構造(結晶化度や配向性など)が機械的性質(強度や力学的異方性など)に及ぼす影響について調査する造形条件を引張試験結果と割断面の観察より決定した。引張試験より得られた応力-ひずみ線図の変形挙動は4種類に分類された。また、走査速度が増加するに従い、引張強度が低下する傾向にあった。割断面の観察より、積層ピッチが大きくなるに従い、積層間の隙間が大きくなる傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結晶構造や機械的性質の分析に資する熱延伸3Dプリンティング造形条件を、引張試験および割断面の観察を行い決定した。当初予定していなかったが機械的性質のひとつである曲げ特性を評価するために曲げ試験を実施した。令和5年度中に結晶構造の調査に着手したかったができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
スクリーニングした造形条件で熱延伸3Dプリンティングした造形体およびその後アニーリング処理した造形体について結晶構造を多角的に分析する。
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