研究課題/領域番号 |
22K06392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
北村 俊平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (60549674)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 種子散布 / ヒヨドリ / 渡り鳥 / シロハラ / メジロ / ヒサカキ / ノブドウ / マミチャジナイ / 果実食 / 低木 / 果実 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の温帯林の低木・草本層で高い多様性を示す被食散布植物とその主な種子散布者であるヒヨドリの重要性をネットワーク分析と有効性指標を組み合わせて評価する。1)種子散布者としての量的な有効性まで考慮すると、ヒヨドリがネットワーク内で特定の植物と強い結びつきを示すモジュール型構造をとる、2)口径幅が小さい鳥種では、採食時に果実を飲み込む割合が低下し、質的な有効性が下がる、の2つの予測を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本の温帯林の低木・草本層で高い多様性を示す被食散布植物とその主な種子散布者であるヒヨドリの重要性をネットワーク分析と有効性指標を組み合わせて評価することを目的としている。今年度は石川県立大学キャンパスのノブドウ(4台)、トベラ(5台)、金沢大学の里山ゾーンのカラタチバナ(2台)、ヤブラン(2台)、チゴユリ(3台)、ハイイヌツゲ(2台)、ヒサカキ(16台)、ヤブコウジ(1台)、石川県林業試験場のノブドウ(7台)、ヒメアオキ(1台)の結実個体に自動撮影カメラを設置し、それらの果実を利用する動物相を明らかにした。金沢大学の里山ゾーンでは、里山管理に伴う竹林伐採後に大量に結実したヒサカキを中心にカメラを設置し、ヒヨドリ、ツグミ、シロハラ、トラツグミ、メジロなどが主な果実消費者であることを明らかにした。さらに石川県林業試験場と石川県立大学キャンパスで2023年度と同じノブドウ個体を対象とした調査では、2022年度とは異なり、夏の終わりにヒヨドリとタヌキがノブドウの熟した果実を消費した。一方、秋の渡りの時期には、まったく果実が消費されず、ノブドウの果実の持ち去りは年変動が激しいことが明らかになった。また、ノブドウの果実の成熟にともう色彩変化と果実の持ち去りについて、2023年12月のバードリサーチ鳥類学大会2023および2024年3月の日本生態学会の年次大会にて口頭発表を行った。特に日本生態学会での発表では、ノブドウの色彩変化パターンについては、普及している図鑑の記述に誤りが多いことを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に十分なサンプルを得ることができなかった植物種で追加調査を行い、新たな種子散布者を明らかにすることができたため。また、ノブドウの色彩変化パターンについては、普及している図鑑の記述に誤りが多いことを明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
過去2年間にサンプル数を稼ぐことができなかった植物種を優先して、自動撮影カメラを設置することで、量的に有効な種子散布者を明らかにする。さらに2年間で異なる傾向が見られたノブドウ、および秋の果実資源量の大部分を占めるヒサカキを中心とした調査を進める予定である。
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