研究課題/領域番号 |
22K07663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
荒牧 修平 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (60907872)
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研究分担者 |
中村 和正 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20284507)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 量子マテリアル / 放射線治療 / 放射線増感剤 / 量子増感剤 / 量子増感放射線療法 / X線シンチレーター |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療はその局所制御能と低侵襲性から、がんの三大治療として地位を確立しているが、癌種によっては放射線(X線)抵抗性のものが存在する。この課題に対しては古くから増感剤開発が試みられてきたが、現在標準的に臨床に応用されているものはない。その理由の一つに、生体への安全性と効果的な増感作用の両立が難しいことが挙げられる。量子生命科学領域で注目されているダイヤモンド窒素空孔中心は、炭素で構成され安全であり、さらにX線シンチレーターとしての特性を示す。本研究ではこれを量子増感剤として応用する。これにより、生体深部の膵癌を対象とした新規「量子増感放射線療法」の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、放射線による外部刺激によって一重項酸素を発生するマテリアルを放射線増感剤として利用することである。まず、ダイヤモンドNVセンタに対して放射線照射を行い、その後一重項酸素を測定したところ、有意な一重項酸素の生成は確認できなかった。さらに電子線アニーリングを施したNVセンタでも検証したが、有意な一重項酸素の生成は確認できなかった。ダイヤモンドNVセンタより励起一重項状態と励起三重項状態が近い光増感剤で検証したところ、いくつかの光増感剤で一重項酸素の生成が確認できた。そのことから、ダイヤモンドNVセンタを放射線増感剤として利用するには、エネルギー準位の操作が必要である可能性が示唆された。エネルギー準位の操作は研究として興味深いものの、実臨床への応用を考えた時に現実的ではないため、一重項酸素の生成を確認できた光増感剤をターゲットに変更し研究を進めた。ポルフィリン環を有する化合物A、B、Cに関して、中心金属X、Yを配位させたのちに放射線を照射し、一重項酸素を測定した。その結果、X線に反応しやすい化合物の傾向が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダイヤモンドNVセンタに対する放射線照射で有意な結果は得られなかったものの、検証すべきことは検証できた。一重項酸素の生成を確認できた光増感剤をターゲットに変更し研究を進めることができた。X線に反応しやすい化合物の傾向が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
優位な結果が得られている化合物に関して、clonogenic assayやin vivoでの効果を確かめるための実験を行う。
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