研究課題/領域番号 |
22K08065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
人見 祐基 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 疾患ゲノム研究室長 (10525819)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ゲノムワイド関連解析(GWAS) / 原発性胆汁性胆管炎(PBC) / 疾患感受性遺伝子領域 / ゲノム編集 / CD58 / PTPN2 / post-GWAS |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノムワイド関連解析(GWAS)の活用によって、多数の原発性胆汁性胆管炎(PBC)感受性遺伝子領域が同定されてきた。しかし、遺伝学的研究の成果をPBCの発症機序の解明や医療応用へと展開するためには、橋渡しを目的としたさらなる研究(post-GWAS 研究)が必須であるにもかかわらず、これまでにほとんど実施されていない。 本研究では、PBC感受性遺伝子領域を対象に、GWAS・生物情報学的解析・機能解析を融合した多角的かつ網羅的な解析を実施し、Causal variantとEffector geneの同定、PBC発症機序の解明、さらには個別化医療への展開を目指すpost-GWAS研究を実施する。
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研究実績の概要 |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、慢性進行性の胆汁鬱滞性肝疾患であり、胆管上皮細胞に対する自己免疫反応の関与が示唆されている一方で、その発症および進展機序は未だ不明なままである。 疾患の罹りやすさに関連する遺伝子領域を網羅的に探索するゲノムワイド関連解析(GWAS)を用いて、申請者らの研究グループはこれまでに、ヒト白血球抗原遺伝子群(HLA)をはじめとする多数の日本人PBC感受性遺伝子領域を同定するとともに(Hitomi Y, et al. 2019など)、英国などの研究グループとの国際共同研究によるGWASメタ解析を実施してきた(Cordell HJ, et al. 2021; Asselta R, et al. 2021)。 令和5年度は、アジア人においてPBC感受性との特に強い関連を示す遺伝子領域であるCD58を対象として、発症に直接寄与する機能的バリアント(causal variant)のrs10924104を、in silico解析・in vitro機能解析にて同定するとともに、このrs10924104がB細胞におけるCD58発現量を転写因子ZNF35を介して直接制御することをゲノム編集を用いて発見し、CD58に由来するPBC発症機序を解明した。 さらに、日本人を対象として症例数を増やしたGWASを実施し、新規PBC感受性遺伝子領域PTPN2を世界で初めて同定した。シグナル伝達抑制型分子PTPN2には、IFN-g刺激によってPTPN2発現量が亢進しIFN-gからのシグナルそのものを抑制する「negative-feedback機構」が存在することに加え、この遺伝子領域のcausal variantであるrs2292758によってnegative-feedback機構が制御されることを、PBC患者の肝臓を対象としたトランスクリプトーム解析にてそれぞれ発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画通り、国際GWASメタ解析にて同定されたPBC感受性遺伝子の一部について、発症に寄与する機能的なバリアント(causal variant)の同定、および、そのバリアントに起因する発症分子メカニズムの解明に、それぞれ至ったため。 さらに、新たに日本人を対象として実施したGWASによって、新規PBC感受性遺伝子領域PTPN2を世界で初めて同定するとともに、PTPN2に由来するPBC発症機序を解明することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
国際GWASメタ解析にて同定されたその他のPBC感受性遺伝子領域について、発症に寄与する機能的なバリアント(causal variant)の候補からの絞込み、および、バリアントに起因する発症分子メカニズムの解明をさらに推進するために、以下の解析を実施する。 1.すべてのPBC感受性遺伝子を対象としたin vitroの機能解析、特に、ゲノム編集技術を駆使し、よりcausalvariantに特化した解析を実施する。 2.バリアントによる遺伝子発現への影響を検討するためのeQTL解析を、複数の信頼できるデータベースを用いて実施する。 3.血清や末梢血単核球を用いた発現解析を実施する。
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