研究課題/領域番号 |
22K08806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
七島 篤志 宮崎大学, 医学部, 教授 (60380838)
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研究分担者 |
横谷 篤至 宮崎大学, 工学部, 教授 (00183989)
徐 岩 宮崎大学, 医学部, 教授 (40506763)
菱川 善隆 宮崎大学, 医学部, 教授 (60304276)
松本 仁 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90363572)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 光線力学的療法 / 胆管癌 / 糖鎖連結ポルフィリン錯体 / クリック反応 / light emitted diode / 腫瘍集積性 / クリック反応技術 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞を特異的に識別するアルキン基とアジド基の化合物をカップリングするクリック化学技術を応用した新規酵素応答性蛍光プローブ設計による癌特異的蛍光局在診断を可能とする。このプローブとPSの合成設計が可能であり、2022年度から正常組織に極めて障害の少ない、究極の腫瘍特異性に優れた、将来の癌治療に持続可能なPDT研究成果達成に取りくんでいく。宮崎大学で取り組んできた光治療開発を進める研究プロジェクトと学部横断型医工連携研究プロジェクトで各研究室関連設備を活用できる。工学部でPS生成と光機器開発を行いする。物質科学分野で蛍光分子の創成技術を駆使し病理学とも連携し癌の局在蛍光診断開発も進捗させる。
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研究実績の概要 |
1)光感受性薬剤研究:初年度P-ポルフィリン錯体の片側の軸配位子にグルコースを連結したP-錯体3aおよび1の合成に成功した。BODIPY としては、P-錯体1との反応性を有するカルボン酸誘導体2aを合成した。本年度、蛍光発色団としてのBODIPYを連結させBODIPY/グルコースハイブリッド型P-錯体を完成させる。(A) ハイブリッド型光増感剤の合成:BODIPYとしては、合成収率と連結効率を考え、4-ヒドロキシフェニル基を有する誘導体2b、および2bにTEG二臭化物(5)を反応させた2cを合成しハイブリッド型P-錯体とする。(B) ハイブリッド型光増感剤の物性:合成したハイブリッド型P-錯体について光物性を評価する。有機溶媒、水溶液中における蛍光特性(蛍光量子収率、蛍光寿命)、一重項酸素の生成量子収率を決定する。また糖連結BODIPY(2d)の光物性と比較することでハイブリッド型P-錯体の特徴を調べる。 2)がん細胞株に対する光毒性試験:NOZ、HepG2などのがん細胞株にハイブリッド型P-錯体を投与し610 nm LED 照射下での光毒性試験を行う。この際、ハイブリッド型P-錯体によるがん細胞認識部位を調べるためグルコーストランスポーター(GLUT)の阻害剤効果を解析する。 3)がん細胞株に対する局在部位の解析:NOZ、HepG2などのがん細胞株にハイブリッド型P-錯体を投与し共焦点レーザー蛍光顕微鏡観察によってBODIPY部位の発光を解析する。各GLUTに対する蛍光免疫染色を行い標的とするGLUTをがん細胞ごとに調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クリック反応による合成プローブの合成段階に研究内容と成果達成のエフォートがとられ、PDDやPDTのがん細胞評価はやや遅れている。腫瘍診断の分子とのクリック反応の完成度が不十分。ハイブリッド型P-ポルフィリン錯体の合成に必要なBODIPY誘導体1および糖連結P-ポルフィリン錯体2を合成した。しかしながら、最終化合物のハイブリッド型P-錯体の完成には至っていない。よってin vivoの実験に到達していない。 学会発表 第60回化学関連支部合同九州大会(2023年7月北九州):糖を軸配位子に連結したリンポルフィリン錯体の合成、と2023年光化学討論会で発表:軸配位子にグルコースを有するリンポルフィリン光増感剤の開発とPDT活性。
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今後の研究の推進方策 |
ハイブリッド型P-ポルフィリン錯体の合成に必要なBODIPY誘導体1および糖連結P-ポルフィリン錯体2を合成したが、最終化合物のハイブリッド型P-錯体の完成には至っていない。次年度は早い段階で、最終化合物を完成させ、PDDおよびPDT機能の細胞レベルでの評価を行う。癌細胞でのin vitroやin vivoの技術やLED照射条件はすでに確立しているので研究は加速することが十分可能である。精度を高めるにもプローブの完成度を高める研究成果を加速させる。
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