研究課題/領域番号 |
22K11587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
永野 康治 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (00548282)
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研究分担者 |
笹木 正悟 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (30563473)
大山 高 帝京大学, 経済学部, 准教授 (30738604)
須甲 理生 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (70614478)
東原 綾子 慶應義塾大学, 体育研究所(日吉), 助教 (90724237)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 早期専門化 / ユーススポーツ / スポーツ障害 / 運動経験 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ活動において、子どもが早期から特定の種目に専門化すると、身体への負荷の蓄積により慢性的な怪我が惹起され、競技生活の断念につながりうる。一方、複数の種目を同時に行う「マルチスポーツ」が諸外国では推奨され、様々な運動経験を積むことで、特定の部位に負荷がかかりにくくスポーツ障害が少ない。そこで本研究では、マルチスポーツの実践がスポーツ障害予防に有用であるか、および、その要因となる身体機能の変化を検証する。具体的にはスポーツ障害調査に特化した疫学調査と姿勢制御や着地動作評価等からなる独自の身体機能計測を横断的、縦断的に行う。
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研究実績の概要 |
マルチスポーツ選手と早期専門化選手の障害発生の現状を横断的に比較するため,小学生サッカー選手におけるスポーツ専門化度の現状を明らかにし,膝および踵部の成長関連障害との関連を検討した.専門化度の割合は学年(小3~6年)間で有意な差がみられ,学年が上がると高程度である割合が高かった(小3: 38.6%, 小4: 41.6%, 小5: 53.5%, 小6: 56.6%).膝の成長関連障害の有症率は専門化度間で有意な差がみられ,専門化度が高いと有症率が高かった(専門化度低: 6.5%, 中: 11.7%, 高: 14.0%).踵部の成長関連障害の有症率も専門化度間で有意な差がみられ,専門化度が高いと有症率が高かった(専門化度低: 7.7%, 中: 9.3%, 高: 13.6%).本邦の小学生サッカー選手は早期専門化の傾向が認められ,専門化度が高いと成長関連障害が好発するという関連がみられた. また,マルチスポーツ選手と早期専門化選手の身体機能を比較するため,大学女子バスケットボール選手において全身反応時間テスト, 片脚ジャンプ着地テスト, Star Excursion Balance Testを計測し,早期専門化の影響を検討した.全身反応時間テストおよびStar Excursion Balance Testには早期専門化の影響はみられなかったが,片脚ジャンプ着地テストにおいて, 非利き足の鉛直最大床反力および衝撃緩衝係数は早期専門化群が非早期専門化群よりも有意に高かった.バスケットボール選手は早期専門化により外傷・障害発生の要因となりうる着地動作につながることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
横断調査について,小学生サッカー選手を対象としたアンケート調査および大学生バスケットボール選手を対象とした機能計測を実施した.しかし,中学生を対象とした調査,測定は未実施であった.小学生のデータからは本邦における早期専門化の現状が明らかとなり,今後の調査の基礎データとして重要な知見が得られた.機能計測データからはユース年代におけるデータ計測には至らなかったが,早期専門化を経たアスリートがどのような身体機能を有するかについて,一定の知見が得られた.あわせて今後の計測に用いることのできる手法を確立した.
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今後の研究の推進方策 |
早期専門化と障害発生状況の横断的調査を中学生対象に行う.その上で,マルチスポーツ実施による障害予防効果の検証について介入方法を検討し,対象校との調整を行う.
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