研究課題/領域番号 |
22K13427
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 一橋大学 (2023) 政策研究大学院大学 (2022) |
研究代表者 |
佐野 仁美 一橋大学, 大学院ソーシャル・データサイエンス研究科, 特任講師 (90901223)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 気候関連金融リスク / 気候変動 / 自然災害 / 水災害 / 局地的降雨 / XRAIN / 現金需要 / キャッシュレス決済 / 金融リスク / 局地的大雨 / キャッシュレス政策 / 位置情報 / 異分野間データ融合 / データ融合 / 現金 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、気候変動が金融機関に与えるリスクを定量的に表す方法論を構築する。具体的には、甚大な水災害の要因とされる局地的大雨にフォーカスし、気象情報(降雨観測情報)と金融情報(銀行ATM利用統計情報)の異分野データ融合により、災害前後に変化が生じる傾向のある現金引出の動向をダイナミックに可視化する。更に、本分析により、局地的大雨が金融資産にもたらすリスクを定量的に予測するモデルを開発し、気象変化が金融機関に与える影響の時空間連鎖を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、気候変動が社会経済にもたらすリスクを定量的に評価する方法論の一つとして、甚大な水災害の要因とされる局地的大雨にフォーカスし、災害前後に変化が生じる傾向のある現金需要の動向を分析した。本研究では、国土交通省が観測する高解像度降雨情報(XRAIN)と大手都市銀行のATM統計情報を利用して異分野間データ融合を実装し、降雨状況と現金需要の変化の様子を可視化して、降雨状況の変化に伴う現金需要の推移を分析した。この結果、降雨事象の変化と現金需要の連動性および現金需要の契機になる降雨事象の距離的相関を検出し、気象状況の変化に伴う現金需要のリスク評価を行い得る要素を特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「自然科学と社会科学の異分野間データ融合」の中でも、国内に先行研究がない「気象情報と金融情報のデータ融合」を実装した点で学術的意義がある。本研究では、水災害の要因となる大雨が発生した際の現金需要にフォーカスし、過去に実証事例がない「大雨と現金需要の相関」および「現金需要が発生する降雨事象の距離的相関」を明らかにした。気候変動に伴う社会経済への影響を定量的に評価する手法は未だ有意なモデルが確立されていないが、本研究はこの課題解決を試み、「降雨状況の変化に伴う現金需要」において定量的にリスク評価を行い得る要素を提案した。これらは新たな知見として社会的意義があると考える。
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