研究課題/領域番号 |
22K14190
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松浦 弘明 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50847994)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | バイオ熱工学 / 水分子ダイナミクス / 誘電分光 / 凍結保護物質 / 細胞凍結保存 / 物質輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
再生医療等で不可欠な技術である細胞の凍結保存では, 致命的となる細胞内の氷晶生成を防ぐことが重要であり, そのために凍結保護物質が添加される. しかし, その保護機序は未解明な部分も多く, プロセスの最適化のためには細胞内の現象に関する物理化学的理解が重要となる. 本研究では種々の保護物質溶液にそれぞれ懸濁した細胞内の水分子ダイナミクスを誘電分光により広い温度範囲で測定し, 凍結保護物質添加による細胞内の水分子ダイナミクスの変化が, 細胞内凍結とどのように関連しているのかを明らかにすることにより, 細胞凍結保護の機序解明に供する知見を深め, 細胞凍結保存プロセスの最適化に寄与することを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では, 細胞や細胞凍結保護物質水溶液を対象に, 誘電分光による分子ダイナミクスの測定やソーレ―強制レイリー散乱法による物質輸送性質の測定を行い, その成果として, (1)脱水された細胞内における遅いダイナミクスを示す水の割合の増加, (2)環境負荷が小さい保護物質として期待される深共晶溶媒の誘電分光におけるKramers-Kronigの関係を用いた解析の有効性と, その分子ダイナミクスの変化, (3)低温高圧力下で氷晶によるダメージを避けながら細胞を保存するための定積凍結における, 細胞生存率と水分子緩和時間の関係, を含む細胞低温保存プロセスの設計・最適化につながる知見が得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は, 様々な現象が関わる複雑な細胞凍結保存プロセスに関する物理化学的理解につながりうるという学術的意義に加えて, その理解に基づく細胞凍結保存プロセスの効率化が実現されれば, 再生医療や生殖医療等の最先端医療の進展に寄与しうるという社会的意義を有する.
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