研究課題/領域番号 |
22K14213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 駿介 東北大学, 工学研究科, 助教 (50811634)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ナノポーラス構造 / 環境調和性 / ナノ構造 / ケミカルセンサ / イオントロニクス / 半導体 / MEMS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究手法の原理検証、生分解性金属のナノポーラス化、生分解性ナノポーラス構造を用いた電子デバイスの作製と実証評価を行うことを考えている。本研究提案は水を用いたナノポーラス構造の作製技術により、ポーラス構造の大きな表面積により電子デバイスの特性を改善し、生分解性エレクトロニクスという新たな研究領域を開拓するものであると考えている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、マグネシウム合金から金属のナノポーラス構造を作製する世界初の手法を確立するとともに、TFTのゲート電極に応用することで、高感度なケミカルセンサを実現することである。マグネシウムは標準電極電位が小さく水溶性を示す。このため、合金を水に浸すだけで、合金を形成する金属のナノポーラス構造が作製できる。申請者が発見した世界初の本手法を用いることで、従来手法がナノポーラス化できない金属のナノポーラス化が実現する。プロセスの相性から合金の作製にはスパッタリングを検討し、本年度は本ナノポーラス化の妥当性を検討した。Mgターゲットの上に穴を開けたCu板を置きスパッタリングすることで、合金CuMgをSi基板上に150 nm成膜した。電子顕微鏡(SEM)のエネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて、その組成を調べたところMgとCuの原子数比は80.7 and 19.3 at %であることが判明した。CuMgを水に浸漬してナノポーラス化したところ、MgがMg(OH)2になり難溶性のため水に溶解せずナノポーラス化が進行しないことが判明した。そこで、水に塩NH4Clを溶かすことで、NH4 +によりMg(OH)2を溶解させ、この問題を解決した。水溶液NH4Cl 10mMにCu箔に成膜したCuMgを浸漬したところ、銀色をしたCuMgは15分後には濃い青色になりSEM観察でナノポーラス構造が作製できていることが判明した。窒素吸着法を用いてナノポーラス構造の比表面積を測定したところ、ナノポーラス化前は比表面積が6.4 m2/gだったが、15分ナノポーラス化したものは、比表面積が24.1 m2/gになり、約4倍になることが判明した。このとき、Cu箔をふくむ質量を計算に用いたため、ナノポーラスCu層の比表面積への寄与はより大きいものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたナノポーラス化技術の妥当性確認を行うことができた。水によるナノポーラス化はMg(OH)2が水に溶解せず、ナノポーラス化が実現できなかったが、水に塩NH4Clを溶かすことで、NH4 +によりMg(OH)2を溶解させ、この問題を解決できた。作製したCuナノポーラス構造は比表面積が24.1 m2/gになり、目的の値に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
ナノポーラス化技術の確立が実現できたので、今年度から、Thin film Transistor(TFT)作製し、ケミカルセンサへの応用を実現する。具体的には以下の通り。半導体材料としては、酸化亜鉛(ZnO)やシリコン(Si)を使用することを検討している。両者の材料を使用して、Thin film Transistor(TFT)作製し、移動度、しきい値電圧などを測定して、優れた材料を決定する。作製方法としては、スパッタリング、原子層堆積法(ALD)により、酸化亜鉛を成膜することや、Si薄膜をスタンピング転写により、生分解性基板に転写する予定である。以上の研究計画で作製したケミカルセンサを封止し、デバイスの分解を時空間的に制御して、安定したセンシングを実現する。、封止材としては生分解性材料SiO2からなるガラス基板とフリットガラスを使用する。ケミカルセンサ同様、フリットガラスのPBS、NaCl水溶液に対する溶解性、溶解速度を測定して、生分解性を検証し、デバイス寿命の測定を行う。
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