研究課題/領域番号 |
22K14487
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
小林 慎太郎 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 研究員 (10771892)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 放射光粉末回折 / その場観測 / 高温計測技術 / 構造物性 / 放射光粉末X線回折 / 高温測定 / 無機材料 / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
材料の合成プロセスの理解は、材料開発を合理的かつ効率的に推進する上で欠かせない。本研究では、1200℃以上の高温加熱が可能な顕微鏡観察用の加熱ステージを用いた透過型放射光X線構造解析システムを構築し、超高温合成過程の簡便なその場観測を実現する。現実の材料合成環境を再現するために、さまざまな種類の測定容器の開発を進め、加えて統計精度の高いデータ取得のための測定・制御システムの開発を行う。測定装置、測定試料セルの開発・改良と、実用材料の合成プロセスの高温その場観測を並行して進め、フィードバックをかけることで、実合成環境に近い条件下で使用可能な高温材料解析手法として確立したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、機能性材料の合成過程を可視化するために、超高温加熱ステージを用いた透過型高エネルギーX線構造解析システムを開発した。具体的には、現実の合成過程に相当するガスフロー下での1000 ℃以上の高温に耐える計測用の試料セルを開発し、標準試料を用いて本セルを用いた際のステージ内部の温度精度を評価した。また、結晶粒成長が進行する高温下で高い統計精度のデータ取得を行うために、加熱ステージを揺動・並進させた条件での粉末回折測定を行うシステムを実装した。これらの開発内容をもとに、実材料を用いた合成過程観測を実施し、本システムが高温合成過程や材料相変化過程のその場観測に有用であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セラミックスや磁石等の社会基盤材料の高温合成プロセスを解明することは、これらの材料を効率的かつ合理的に設計するために必要不可欠である。今回の研究で開発した計測システムを用いることで、最高1400 ℃という高温でのさまざまなガス雰囲気下での粉末回折パターンの簡便な取得が可能となった。これにより、従来はブラックボックス化していた高温下での相変化に関する情報を取得可能とした。さらに、合成時に発生するガス成分を同時に分析するシステムも構築し、より多角的に高温材料のプロセス評価が可能となった。この研究で確立した手法を将来的には吸収分光などにも応用し、超高温下での材料分析手法をさらに拡張したい。
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