研究課題/領域番号 |
22K14500
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小椋 優 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70908152)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 光吸収特性 / 転位 / 塑性変形 / 無機結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の理論解析により,代表的なII-VI族化合物半導体の1つである硫化亜鉛(ZnS)において,転位がキャリアをトラップすることにより原子・電子構造を変化させうることが明らかとなってきた.一方で,キャリアトラップ時の転位コアにおける原子・電子構造変化について実験的な観測は未だ行われていない.そこで本研究では,転位を導入した無機半導体結晶について光吸収特性評価を実施し,光励起による転位の電子構造変化について観測を試みる.
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研究実績の概要 |
近年の理論解析によると,代表的なII-VI族化合物半導体の1つである硫化亜鉛(ZnS)結晶中の転位(線状の結晶格子欠陥)はキャリアをトラップする機能を有する.キャリアトラップによって,転位の原子・電子構造が変化するが,その実験的な観測はなされていない.そこで本研究では,分光光度計に追加光源を組み込んだ光学系を設計・構築し,機械的変形試験により転位を導入した結晶について測定を行うことにより,光照射による転位の電子構造変化の抽出に挑戦する. 今年度は,まず,分光光度計の改造を実施した.透過率測定に用いるプローブとは別に光源を筐体内部に組み込んだ.さらに,追加光源から検出器を保護するため,試料と検出器の間に追加光源をカットするためのロングパスフィルターを挿入した.追加光源およびロングパスフィルター設置の上で,透過率測定が問題なく実施できることを確認した. 暗幕内の暗闇環境下において硫化亜鉛(ZnS)結晶を塑性変形させることにより,結晶中に転位を導入した.変形後の結晶について,改造した分光光度計を用いて光吸収特性評価を実施した.その結果,追加光源の照射により,追加光源なしの場合にはみられない新たな光吸収がみとめられた.また,光吸収強度は,変形量(すなわち,転位密度)と相関がみられた.こうした新たな光吸収は,キャリアトラップによる転位の電子構造変化に起因すると考えられる.このようにして,転位の電子構造変化の抽出を可能とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
追加光源を組み込んだ分光光度計の改造が完了した.これを用いて,追加光源使用の上での光吸収特性評価が可能となり,キャリアトラップによる転位の電子構造変化抽出という目標に対し順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
変形後結晶について電子顕微鏡観察を実施し,導入される転位の構造解析を行う.さらに,追加光源による新たな光吸収における波長依存性について調査を行う.
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