研究課題/領域番号 |
22K14656
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山岸 洋 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40824678)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光共振器 / 有機レーザー / 光センサー / 分子集合 / イオン液体 / 光共振 / レーザー / 有機液体 / 共振器 / 液滴 / レーザー発振 / フレキシブル |
研究開始時の研究の概要 |
光共振器は光工学の基礎として古くから研究が進められており、「屈折率」を変調する技術が幅広く開拓される一方で、実はもうひとつのパラメータである「容器形状」を自在に変調する技術が未だに確立されていない。ここでもし共振器の形状を自在に変調できるようになれば、空間に強く依存する光の機能を変調できるようになり、革新的な光制御を実現できる可能性がある。そこで本研究構想では、「光共振器は堅い」という常識を打破すべく自在に変形する液滴光共振器を創出し、さらに形状変化と屈折率変調とを組み合わせた2変数光変調が可能な革新的な光モジュレータの開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では不揮発性に優れるイオン液体の液滴に着目し、その形状変化に応じて光の透過・屈折・反射・共振特性が変化する現象を利用することで、新しい光モジュレーターを実現できるのではないかと着想し、研究を進めた。イオン液体の中では表面張力に優れたイミダゾール塩を素材として選び、フッ素化した基盤上に滴下したところ、大気中でも1ヶ月以上にわたって安定で、真球に近い形状を有する液滴を作成することに成功した。この液滴を利用することで高性能な有機レーザー、高感度な圧力センサーを実現することに成功している。また、この研究の途上で有機材料の柔軟性・膨張性を利用した新しい有機光共振器の開発・論文発表に至っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、機能性有機材料の分野で研究されてきた液体材料を利用することで新たなレーザー発振子、光共振器、光センサーの作成に成功した。これらの光デバイスはいずれも材料の分子構造に由来する構造的柔軟性、高いプロセス性、化学的な親和性を有している。これらの特徴は無機固体を利用する従来の光デバイスでは実現が極めて困難であり、光デバイスの新たな価値を開拓したと言える。また、無機レーザーに代わる新たなレーザー光源としての研究が進められている有機レーザーの分野において、有機デバイスが光源以外にも多様な価値を生み出しうることが明らかになった点は、大きな学術的意義を持つ。
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