研究課題/領域番号 |
22K14669
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
加藤 健太 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 次席研究員(研究院講師) (90897589)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 非平面PAH / 含ホウ素PAH / ナノグラフェン / π共役系 / 湾曲グラフェン / ホウ素化合物 / ホウ素ドープ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、湾曲構造に埋め込まれた三配位ホウ素の性質解明である。本質的に不安定なsp2混成ホウ素を安定化するために、剛直な平面内に固定する研究が精力的に展開されている。一方で、本研究のようにホウ素原子を湾曲面内に固定する研究は皆無であり、極めて独自性の高い研究である。また、特異な酸化還元特性をもつ湾曲ナノグラフェンを、ホウ素ドープにより、さらに酸化還元特性を向上させ、リチウムイオン電池の電極へと応用できる。湾曲平面は裏と表で異なる環境が提供でき、高い選択性、不斉構造に基づく不斉触媒への応用などが期待できる。このように幅広い応用展開が見込めることから創造性は高い。
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研究成果の概要 |
本研究ではホウ素ドープ湾曲グラフェン化学の開拓を目指し、ホウ素がドープされた湾曲ナノグラフェンの合成および湾曲構造内に固定化されたホウ素の特異な物性・現象の探索と追及を目指して研究を行なった。前駆体としてマルチアリールボレピンおよび部分縮環したボレピンを合成し、最終段階である炭素炭素結合形成を試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホウ素の平面ナノグラフェンへの固定化は、国内外で複数のグループで研究されている。これらはいずれも平面構造もしくは骨格周辺でのナノグラフェンへのホウ素の固定化である。また、ヘテロ原子の湾曲ナノグラフェンへの導入は窒素原子をはじめ報告されている。一方で、本研究のようにホウ素のみを湾曲ナノグラフェンへ固定化する研究は皆無である。以上の背景のもと、本研究で行われたホウ素が平面ナノグラフェンへ固定化された分子の合成経路の探索は、三配位ホウ素の軌道混成の制御という新たなコンセプトを実証に近づけるものである。
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