研究課題/領域番号 |
22K14762
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坪ノ内 優太 新潟大学, 自然科学系, 特任助教 (90823972)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 二酸化炭素還元 / 分子性触媒 / 触媒修飾電極 / 卑金属錯体 / 多電子移動反応 / 人工光合成 / 錯体触媒 / 錯体修飾電極 / メタン |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに申請者は、水中で高効率かつ高選択的な二酸化炭素還元触媒能を示す鉄錯体を報告した。本研究では、水中において低過電圧かつ高選択的に低濃度二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を生成する電気触媒系を開発する。さらに、鉄錯体に様々な置換基を導入した誘導体を合成して錯体の幾何構造および電子構造を化学チューニングすることにより、二酸化炭素還元触媒性能の向上を図るとともに、二酸化炭素からのメタン生成に挑戦する。
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研究実績の概要 |
初年度は、以下の三つの研究を実施した。 ①鉄単核錯体の二酸化炭素還元触媒機構の解析:均一有機溶媒系におけるFe(bpc)錯体(H2bpc = 4,5-dichloro-1,2-bis- (pyridine-2-carboximido)benzene)の二酸化炭素還元触媒反応機構を電気化学および分光電気化学的測定と量子化学計算により解析した。Fe(bpc)錯体は1%の低二酸化炭素濃度でも効率的に二酸化炭素を還元し、一酸化炭素を生成することを見出した。これは、本錯体が効果的に二酸化炭素を金属反応中心に取り込む能力を有することを示す、興味深い結果である。 ②新規鉄単核錯体群の合成と二酸化炭素還元触媒活性の評価:Fe(bpc)錯体の二つのピリジン部位に電子供与性の異なる置換基を導入することにより、新規鉄錯体群を合成した。二酸化炭素飽和の有機溶媒中におけるサイクリックボルタンメトリー測定から、置換基効果によって過電圧と触媒活性が大きく変化することを見出した。 ③水中で二酸化炭素還元を促進するニッケル単核錯体修飾カソードの開発:Ni(bpc)錯体を合成し、炭素電極表面に物理修飾することにより分子性の二酸化炭素還元カソードを作製に成功した。本カソード電極が水中において効果的に二酸化炭素を一酸化炭素へと変換できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、低二酸化炭素濃度条件におけるFe(bpc)錯体の触媒活性の評価、並びに新規な二酸化炭素還元錯体触媒の開発を達成していることから、順調に研究が進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に開発した卑金属錯体群の低濃度二酸化炭素還元反応に対する触媒活性を均一溶液系と修飾電極系の両方で評価する。反応機構を解析することで高活性な錯体触媒の分子設計指針を明らかにする。
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