研究課題/領域番号 |
22K14811
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二宮 章洋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50823522)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カイメン / メンブレンベシクル / 共生微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
カイメンやホヤ等の海洋無脊椎動物は,多様性に富んだユニークな低分子化合物を含むことから,新たな有用物質の探索源として利用されてきた。近年,このような無脊椎動物に含まれる二次代謝産物の生産者は,動物自身ではなく動物に共生する細菌(共生細菌)であることが明らかになりつつある。共生細菌がどのような二次代謝産物を,どのような機構を通して,どこへ輸送するかを明らかにすることは,複雑な微生物叢からなる環境における生物間相互作用を理解する上で極めて重要である。本研究ではカイメンにおけるメンブレンベシクルを介した物質輸送機構を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
八丈島沖でカイメンTheonella swinhoeiを採取した。当該カイメンには内部が黄色いものと白いものがあり、以下それぞれ「TSY」「TSW」と呼ぶ。カイメンを破砕し、破砕液を濾過した。多段階の遠心分離による分画によって、メンブレンべシクルを含む画分を得た。条件検討の結果、緩衝液として塩化ナトリウムを含むHEPES、密度勾配の媒体としてOptiPrepを用いた密度勾配遠心分離によって、脂質を含む画分がバンドとして得られることがわかった。TSYにおいては、密度勾配遠心分離の結果、3つのバンドが生じた。ネガティブ染色法によってこれらの画分を観察したところ、上2つの画分には約200 um程度の小胞様構造物が見られた。一方、TSWにおいては、密度勾配遠心分離の結果、1つのバンドが生じた。ネガティブ染色法によって観察したところ、TSYで見られたものより小さい、数十um程度の小胞様構造物が見られた。さらに、各画分を有機溶媒で抽出してLCMSによって分析したところ、小胞様構造物を含む画分に、セオネラミド、オンナミド、およびミサキノリドが含まれることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メンブレンベシクルを含む画分に、カイメンの二次代謝産物が含まれることを示す結果を得たため。
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今後の研究の推進方策 |
密度勾配遠心によって得られたメンブレンベシクル画分からRNAとタンパク質を抽出し、それぞれRNA-シーケンシング解析とプロテオーム解析に供する。これによって、メンブレンベシクルに、化合物の産生・輸送に関わる、どのような転写産物・タンパク質が内容されているかを明らかにする。さらに、イメージング質量分析によって、カイメン内での化合物の局在を調べる。
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