研究課題/領域番号 |
22K14892
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
石川 一也 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10791642)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 植物病原細菌 / ER-細胞膜接着部位 / 病害抵抗性 / 大腸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病による農作物の減収を防ぐべく、病害抵抗性機構の研究がなされているが、その多くは有効な病原体の種類が限定されている。申請者は、これまでの研究の過程で、ER(小胞体)-細胞膜接着部位と呼ばれる細胞内ドメインの構成因子を欠損した植物が、ウイルスに対して抵抗性を発揮することを発見し、さらに細菌に対しても抵抗性となることを示唆する実験結果を得た。そこで本研究では、広範な種類の病原体に対する抵抗性を植物に与える手法の開発に向けて、ER-細胞膜接着部位と相互作用する細菌種および細菌因子の同定を行い、ER-細胞膜接着部位を介した細菌感染の分子メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究で、細菌の感染時にER-細胞膜接着部位を介して感染する細菌種を同定するには至らなかった。一方で、植物環境を模倣した培地を作成し、簡便に植物上での増殖に必要な細菌因子について調査する実験系を確立した。本系を用いて、大腸菌とアブラナ科軟腐病菌Pectobacterium carotovorumで共通の、植物環境中での増殖に必要な遺伝子を明らかにした。さらに、本研究実施の過程で、植物病原細菌が動物病原細菌と同様に植物のヘムを収奪し利用している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した植物環境を模倣した培地は、植物中での生育に必要な細菌因子の探索に用いることができる。また、植物病原細菌が動物病原細菌と同様に植物のヘムを収奪し利用している可能性が示唆されたことは非常に興味深い。ヘムは植物と細菌の双方に必須な補酵素である一方で、不足しがちな分子であることから病原体と動物宿主の間では、ヘムを巡る分子攻防が行われていることが知られている。広範な病原体に対する植物抵抗性の付与のターゲットとして、ヘムが有望であると考えられる。
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