研究課題/領域番号 |
22K15056
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平形 樹生 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40844791)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | piRNA / Shutdown / トランスポゾン / 無精子症 / FKBP6 / Yb body / ミトコンドリア / 液-液相分離 / プロテオーム |
研究開始時の研究の概要 |
動物の生殖組織に特異的な小分子RNAであるpiRNAは、トランスポゾンの抑制に働く。ショウジョウバエ卵巣体細胞(OSC)では、液-液相分離(LLPS)によって形成される非膜系オルガネラYb bodyにおいてpiRNAの生合成が行われる。piRNA生合成因子ShuはYb bodyにpiRNA結合タンパク質Piwiをリクルートするものの、自身はYb bodyには蓄積せず排除される。本研究では、ShuがYb bodyから排除される機構を解明するとともに、この機構を応用して、Shuの排除が持つ生理的意義の解明やYb body特異的なタンパク質標識技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ショウジョウバエ卵巣体細胞において、ShuはPiwiを細胞質顆粒Yb bodyにリクルートするものの、自身はそこから離脱する。本研究ではその機構に迫り、離脱にはShu同士の反発が重要であることを明らかにした。また、Shuの離脱が、後の過程でPiwiがYb bodyを離れるために必須であることもわかった。Shu同士の反発に働く領域の同定に至ったほか、新規トランスポゾン抑制因子を発見しその解析も進行している。さらに、piRNA生合成経路におけるフィードバック制御の存在や、ヒト無精子症で報告された変異がShuの離脱を妨げることも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、piRNA生合成経路の全容解明、特に、PiwiがpiRNAの生合成過程に応じて細胞内局在を変えていく機構を理解する上で重要である。加えて、Shuの反発に働く領域を同定できたため、今後はこれを応用してYb body特異的近接依存標識法の確立に取り組むことができる。また、当初想定していなかった成果として、ヒト不妊の原因変異がもたらすpiRNA経路の異常について新しい知見が得られた。本成果は医療応用、特に不妊治療への貢献が期待できる。
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