研究課題/領域番号 |
22K15110
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
後藤 祐平 基礎生物学研究所, 定量生物学研究部門, 助教 (50814620)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 休眠 / 細胞質流動性 / 分裂酵母 / トレハロース / PKA / シグナル伝達 / 定量イメージング / 休眠細胞 / 細胞質固体化 / 光遺伝学 / 胞子 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内の生化学反応はこれまで流動的な細胞質を想定して議論されてきた。しかし、細胞質の物性はストレス応答などにより固体に近い状態まで流動性を失うこともある。そのような固い細胞質でシグナル伝達がどのように行われているのかは未解明である。 本研究では、分裂酵母の休眠期脱出をモデルシステムとして、固体化した細胞質がどのように環境応答し休眠状態を脱しているのかの分子機構解明を目指す。遺伝学と次世代シーケンサーを組み合わせる新規スクリーニング手法による細胞質固体化制御因子の探索と、細胞質固体化の人為操作手法の開発により、固体化によるストレス耐性と増殖再開能のトレードオフ閾値決定機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
細胞内の生化学反応はこれまで流動的な細胞質を想定して議論されてきた。しかし、細胞質の物性はストレス応答などにより固体に近い状態まで流動性を失うこともある。そのような固い細胞質でシグナル伝達がどのように行われているのかは未だ分かっていない。本研究では、分裂酵母の休眠期脱出をモデルとして、固体化した細胞質がどのように環境応答し休眠状態を脱しているのかの分子機構解明を目指した。本研究の成果として、休眠細胞の細胞質物性制御における新しい分子機構を見出した。休眠細胞が活動を再開させるための一番早い段階で、細胞質流動性の制御が必要であり、また、その細胞質流動性を担う分子実態を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、近年着目され始めてきた細胞質の物理化学的特性、とくに細胞質の流動性に着目して、その分子機構と生理学的意義を明らかにすることを試みた。その結果、細胞質流動性の制御が細胞休眠からの復帰に重要な役割を果たしていることを発見し、試験管内での生化学反応だけでは規定できない細胞内でのシグナル伝達制御の一端を明らかにすることができた。休眠は病原微生物や、がん幹細胞などが薬剤耐性を起こす原因の一つでもあり、その分子機構の解明や、細胞質流動性の人為的操作手法の開発は、これらの薬剤耐性に対する効果的な対処法を生み出す基盤となりうる。
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