研究課題/領域番号 |
22K15111
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中山 彰吾 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (50917747)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 気管 / 間充織 / scRNA-seq / 多様性 / 分化 / 細胞間相互作用 / 形態形成 / シングルセルRNAシークエンス / 細胞多様性 / 気管間充織 / 細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
気管間充織において軟骨組織は特徴的な縞状パターンを形成するが、このパターンを生み出す仕組みには多くの細胞生物学的な疑問が含まれている。これまでに気管間充織の発生異常が、縞状パターン形成の消失につながることがわかっている。その発生過程では、間充織細胞の多様な細胞種への分化が重要であり、気管間充織における細胞の多様性獲得プロセスの理解が軟骨の縞状パターンの形成原理の解明に必要である。本研究では、気管組織の1細胞網羅的トランスクリプトーム解析で得られた結果の解析やそれらの検証実験を行い、軟骨の縞状パターンの形成原理を理解するために重要である気管間充織の細胞多様性獲得機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、気管間充織の多様性獲得機構を明らかにする目的で、発生過程における気管組織のscRNA-seq解析やLineage tracing実験を進めた。気管組織scRNA-seqの結果から、間充織を構成する細胞集団を同定し、気管軟骨・繊維芽前駆細胞に分化するSox9陽性未分化細胞を見出した。さらに細胞間相互作用を推定するCellChatを用いて、分化誘導に重要な候補因子を同定した。その中でHedgehogシグナルに着目し、SHHノックアウトマウスを解析したところ、気管軟骨細胞への分化の抑制を確認した。上記の結果から、気管間充織細胞集団の同定と多様性獲得機構に関する知見が得られたと考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気管の管状構造は生命を維持に必要な呼吸を行うための空気の通り道として重要な役割を持つ。そのような重要性にもかかわらず、気管間充織の形態形成機構に関する知見は非常に乏しい。今回の研究成果において、我々は、気管を構成する間充織細胞集団を同定し、どのようなメカニズムで、多様性を生み出すのかに関する知見を得た。これらの知見は、今後、気管形成異常の先天性疾患の理解や治療法の確立に役立つのみならず、多数の臓器形態異常に関する理解を深めると考えられる。
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