研究課題/領域番号 |
22K15137
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 輝 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (90756058)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / 環境ストレス / 乾燥ストレス / ABA / 転写制御 / エピジェネティック制御 / クロマチン高次構造 / 転写複合体 / エピジェネティクス / クロマチン立体構造 / 細胞種特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
まずiChIPという手法により、植物体内から直接単離したNCED3遺伝子プロモーター上に存在する候補因子について分子機能解析を行う。この時、NCED3の長距離プロモーターの制御に関与する可能性の高い、クロマチン立体構造関連因子に特に着目する。NCED3は植物体内でも維管束組織に特異的に発現していることから、上記の機能解析によりNCED3を制御することが明らかになった因子については、特定細胞種の核単離技術であるINTACTを用いて、さらに維管束特異的な分子機能を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、植物の乾燥ストレス応答を制御する植物ホルモンであるアブシジン酸(ABA)の生合成機構を明らかにすること、また植物体から遺伝子発現制御複合体を単離する技術であるinsertional chromatin immunoprecipitation(iChIP)を開発することである。iChIP法により、様々な新規ABA合成制御因子の候補が単離された。特にいくつかの候補遺伝子の活性を抑制することで、植物の高塩・乾燥ストレス耐性が向上することが明らかとなった。本研究により解明された新規乾燥ストレス応答機構は、ストレス耐性作物作出のための有用な知見となると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により開発された植物体から転写複合体を単離する手法であるiChIPは、ストレス応答の分野のみだけではなく、発生や生殖などに関わる遺伝子発現制御機構の研究分野にも適用可能な技術であり、今後多くの植物の分子生物学研究に役立つ方法だと言える。またiChIPを用いて新規ABA合成制御因子が数多く単離され、それぞれの乾燥ストレス応答機構が明らかになった。これらの実験結果は、どのようにすれば様々な作物種の乾燥ストレス耐性を向上させることができるか、多くの分子生物学的知見を含んでおり、社会的意義のある研究成果であったと言える。
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