研究課題/領域番号 |
22K15198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
壷井 將史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20847123)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 小胞体-リソソーム接触 / ニューロン / 糖脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
正確なニューロンの軸索の発達には、脂質の一つであるセラミドとその代謝物である糖脂質の組成が厳密に制御されている必要がある。リソソームにおいて糖脂質を分解し、生成されたセラミドを小胞体へと還元するサルベージ経路は糖脂質組成を規定する重要な経路であるが、その軸索発達における重要性は全く未知である。本研究では、植物由来のタンパク質分解系であるオーキシンデグロン法 (Auxin-inducible degron; AID法) とニューロンの局性培養系 (Microfluid chamber) により、軸索分岐形成における小胞体-リソソーム接触面における糖脂質のサルベージ経路の機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ニューロンの形態は高い局性を示し、このユニークな形態の形成・維持には細胞膜を構成する多種多様な脂質のうち、特に糖脂質の組成割合の制御が重要だと考えられる。これまでに糖脂質合成経路が軸索発達に必要であることが明らかになっているが、糖脂質をリソソームでセラミドへと分解し小胞体へとリサイクルするサルベージ経路の重要性については分かっていない。本研究では、小胞体-リソソーム接触場に局在するPDZD8がサルベージ経路の制御に寄与するか、また軸索発達制御に必要か検討したところ、大脳皮質交連ニューロンにおいてPDZD8が軸索分岐形成に必要であることを見出し、これは糖脂質代謝経路を介さない可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オルガネラは細胞内の適切なコンパートメントに局在し、細胞全体の恒常性維持のみならず細胞の局所的な機能発揮に必須の役割を果たす。近年オルガネラは単独で働くのではなく、接触面において脂質やイオン交換など重要な生体反応をしていることが明らかになっているが、その生理的役割は未解明な点が多い。本研究から、両接触場に局在するPDZD8が軸索分岐形成に寄与する可能性を示し、オルガネラ接触場の新たな機能を明らかにした。
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