研究課題/領域番号 |
22K15213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
塩谷 元 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20838338)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 三者間シナプス / アストロサイト / 神経細胞 / 海馬 / 細胞接着分子 / Necl / グルタミン酸輸送体 / GABA作動性神経細胞 / 細胞間接着分子 |
研究開始時の研究の概要 |
生体の脳内では、アストロサイトの微細な突起の先端が神経細胞間で作られるシナプスに接着し「三者間シナプス」を形成することが知られている。アストロサイトは、シナプス間隙に放出されるグルタミン酸やカリウムイオンなどの濃度調整を行い、恒常的な神経細胞の活動を維持するなど重要な役割を果たしている。 研究代表者が開発した神経細胞-アストロサイト二者共培養法により培養下で初めてアストロサイトを生体内に近い微細な突起を持つ形態で維持できるようになったため、この系を用いて興奮性と抑制性のそれぞれの神経細胞上に形成される興奮性と抑制性のシナプス計4種類に対するアストロサイト突起の接着機構の違いを解析する。
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研究成果の概要 |
脳の複雑な神経ネットワークでは、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞の軸索終末が同種または異種の神経細胞の樹状突起上に形成する4種類のシナプスに対し、アストロサイト突起がそれぞれに接着して形成される三者間シナプスによって神経伝達の調節が行われている。本研究では、海馬神経細胞とアストロサイトの二者共培養系を用いて4種類それぞれの三者間シナプスを形成する細胞間接着分子を同定した。興奮性神経細胞上の興奮性シナプス、また抑制性神経細胞上の興奮性シナプスについてはその成果を取りまとめ、残り2種類のシナプスについても概ねの知見を取得した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シナプスの形成機構および機能については国内外で精力的に研究されている一方、シナプスとアストロサイトの微細突起間に形成される三者間シナプスの形成機構は不明な点が多かった。本研究では、形態学的にも機能的にも生体内のアストロサイトに近い培養が可能な神経細胞との二者共培養系を用い、三者間シナプスの形成機構、特にこれまでほぼ不明であった抑制性の三者間シナプス形成における細胞接着分子の役割を解明できた。細胞接着分子による神経回路の形成・維持機構が解明されれば、三者間シナプスが疾患の発症・進展に関与する精神神経疾患の新しい診断法や治療法の開発にも繋がる可能性があり、生物学的・医学的・社会的にも意義は大きい。
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