研究課題/領域番号 |
22K15250
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川口 祥正 京都大学, 化学研究所, 助教 (90936808)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ペプチド / 抗体 / 細胞内送達 / 細胞質 / 膜傷害性ペプチド / コンジュゲート / エンドサイトーシス / エンドソーム脱出 / 細胞内導入ペプチド / 高分子送達 / タンパク質 / 細胞内取込み / in vivo / 細胞質送達ペプチド / ターゲティング |
研究開始時の研究の概要 |
抗体は、高難度標的を制御可能な分子として着目されているが、細胞膜透過性に乏しく、細胞内を標的にできないことから、in vivoにも応用可能な細胞質送達技術の確立が望まれている。当研究室では、抗体と混合することで、抗体の効率的な細胞質送達を可能にする細胞質送達ペプチドを開発している。本研究では、細胞質送達ペプチドのin vivo展開に向けた分子設計によって、in vivoにおける細胞内分子の機能制御に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究では、mastoparan Xを鋳型に、安全マージンが広く、高効率に細胞質送達可能なE3MPH16を開発した。E3MPH16によって抗Ras抗体をHT1080細胞に導入することで、増殖抑制効果を示した。さらに、担癌モデルマウスに対して、NLS-EGFPとE3MPH16を局所投与することで、一部の細胞においてNLS-EGFPを細胞質に送達可能であることがわかった。また、細胞質送達ペプチドであるL17ER4と抗体とのコンジュゲートの調製も検討した。sortaseによる酵素化学的手法によって、コンジュゲートを調製することで、凝集することなく、細胞質に抗体を送達可能であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回開発したE3MPH16は低毒性かつ高効率で高分子を細胞質に送達可能なペプチドであることから、機能性高分子の細胞質送達に有用であると考えられる。また、in vivoでも送達可能であったことから、今後、抗体の細胞質送達による細胞機能制御への展開が期待される。また、L17E4と抗体のコンジュゲート設計を達成したことから、このコンジュゲーション方法を様々なペプチドに応用することで、より効率的な抗体の細胞質送達につながるとともに、in vivoでのデリバリーにおける基盤技術になると考えられ、今後、創薬研究への実践的取り組みにつながると期待される。
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