研究課題/領域番号 |
22K15271
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
信田 理沙 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30930292)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 環状RNA / 翻訳 / IRES / リボソーム / 翻訳開始 / circRNA |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性疾患の治療としてmRNAの投与は染色体ゲノムへの組換えを起こすことなく、不足している機能性タンパク質の補充を可能にする理想的な治療法の一つになると考えられる。mRNAの安定性、タンパク合成効率の制御はmRNA製剤の開発、使用に必須であり、安定性に優れた環状RNAの応用が有効であると考えた。本研究では表皮において分化段階に応じて発現変動する環状RNAと翻訳開始配列を同定し、配列の解析とその最適化を行うことで、将来的な臨床応用を見据えた基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではアトピー性皮膚炎の原因として報告されているFLG遺伝子のナンセンス変異症例において不足したフィラグリンタンパク質を環状RNAによって補う手法を探索した。環状化を効率よく行うため特殊な配列によるRNAの環状化を行い、IRES配列挿入によって環状化RNAからのタンパク質合成を確認した。これら環状RNAをコントロールとして細胞内で翻訳されるRNAの濃縮方法を検討し、精製方法を確立した。その後、表皮細胞からのRNA抽出、そして環状RNAだけを濃縮する酵素処理を行った上で、RNA-seqによる解析を行い、効率的な環状化配列、翻訳開始配列の候補として同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎は疾病負荷が大きく、皮膚疾患の中でも最も生活の質を損なう疾患のひとつである。原因となるFLG遺伝子の機能喪失変異(多くはナンセンス変異)は人口の約1割が保有していることから、その治療薬による疾病負荷の軽減は重要な課題の一つである。アトピー性皮膚炎の治療法は対症療法がメインであり、遺伝的な要因に目を向けた根本的な治療法はこれまで確立されていない。本研究によって遺伝子変異の結果不足したフィラグリンを補填することが可能となればアトピー性皮膚炎の新たな治療の選択肢となることが考えられる
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