研究課題/領域番号 |
22K15272
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近江 純平 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特別研究員 (60846666)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ホスファチジルセリン / B細胞 / B細胞リンパ腫 / 脂質輸送 / オルガネラコンタクト / リン脂質 / 血球分化 / 血球成熟 / 脂肪酸分子種 / PSS1 / PSS2 / リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は数百種類以上の多様なリン脂質によって形作られているが、細胞の種類・状態によって、その組成が少しずつ異なることが明らかになっている。本研究では免疫細胞の一種、B細胞に焦点を当て、生体内でB細胞が成熟する過程でどのようなリン脂質組成の変容を辿るのかをプロファイリングすると共に、その変容がどのような意義を持つのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、リンパ腫を含むB細胞のバイオロジー(成熟・生存増殖・機能)におけるホスファチジルセリン(PS)の意義を明らかにすることを目的として解析を実施した。その結果、PS合成の不全によって、マウスB細胞の分化成熟に若干の異常が生じること、また顕著な表現型として、B細胞リンパ腫の生存増殖が損なわれることを明らかにした。詳細なメカニズム解析の結果、B細胞系列において特異的に機能するB細胞受容体(BCR)がB細胞の強いPS依存性を規定することを明らかにしており、PS合成不全時にはBCRシグナルが異常亢進することでB細胞リンパ腫の細胞死を誘導することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、「生体を構成する細胞種には適切なリン脂質組成がある」との概念が提唱されている。本研究では、B細胞リンパ腫が強いPS依存性を示すことを現に明らかにするとともに、その阻害によってB細胞リンパ腫の生存増殖を制御できることを詳細なメカニズムと共に明らかにした。本成果によって、特定のリン脂質代謝系を標的とする新しいがん創薬コンセプトの創出へとつながることが期待される。
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