研究課題/領域番号 |
22K15290
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西谷 直也 金沢大学, 薬学系, 助教 (30824792)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 行動嗜癖 / ドパミン / 側坐核 / 5-HT / オペラント / ランニングホイール / セロトニン |
研究開始時の研究の概要 |
インターネットやゲームなど特定の行動に病的なまでにのめり込む行動嗜癖が社会問題となっている。しかし、行動嗜癖を評価できる実験系や動物モデルは存在せず、基礎研究が不十分なため、病態メカニズムは未解明である。本研究では、行動嗜癖モデルマウスを選別できる新規行動課題を確立し、行動嗜癖で問題となる異常な欲求への関与が疑われる「セロトニンによる脳内報酬系の神経伝達調節の役割」に焦点を当て、神経回路・受容体レベルでの病態メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、行動嗜癖の病態メカニズム解明を目指し、ランニングホイール回転行動を報酬とした課題を行った。課題中の側坐核ドパミン(DA)遊離変化と神経活動変化を測定したところ、DA遊離は欲求発現時と報酬獲得時に変化することが明らかになった。一方、5-HT2Aおよび2C受容体の阻害は欲求を減少させたが、DA遊離変化には影響しなかった。また、臨床での嗜癖の診断基準に基づく行動嗜癖病態モデル作製を試み、約35%のマウスが行動嗜癖病態モデルマウスに分類されることを見出した。さらに、行動嗜癖病態モデルの形成にはカンナビノイドCB1受容体、および5-HT2A受容体の活性化が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インターネットやゲーム、ギャンブル等に病的にのめり込む行動嗜癖は社会問題となっているが、実験動物を用いた病態メカニズムの研究はほとんど存在しない。本研究では、行動嗜癖の病態メカニズムにおいて、側坐核でのDA遊離変化と神経活動変化が重要であることを解明した。また、5-HT2Aおよび2C受容体の関与も示唆されたが、これはDA遊離へ影響するのではなく、それ以外のメカニズムで作用することが示唆された。最後に、臨床に即した行動嗜癖病態モデルマウスの作製に成功し、病態形成へのCB1および5-HT2A受容体の関与が示唆された。これらの受容体を標的とすることで行動嗜癖の治療法、治療薬開発に繋がると期待される。
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