配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
研究実績の概要 |
本研究では、混合型小細胞肺癌に注目し、ヒトの腫瘍組織を用いた遺伝子変異解析やタンパク発現解析を行った。今年度は混合型小細胞肺癌と純型の小細胞肺癌の臨床病理学的因子の再評価、免疫組織化学による解析およびゲノム解析を行った。 各癌腫成分の分化、神経内分泌形質、遺伝子異常に関連したタンパク発現を確認するため、非小細胞肺癌の分化に関連する抗体(TTF1, Napsin A, p40, CK5/6)、神経内分泌形質に関連する抗体(INSM1, Chromogranin A, Synaptophysin, CD56)、小細胞肺癌の遺伝子異常に関連する抗体(p53, RB)を用いて免疫組織化学染色を行った。上記に加え、近年提唱された4つの転写因子・転写共役因子(ASCL1, NEUROD1, POU2F3, YAP1)によるサブタイプを確認するため、これらの抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。 純型の小細胞肺癌におけるサブタイプの割合は、人体材料を用いた先行研究と同様の傾向を示した。一方で、混合型小細胞肺癌の小細胞肺癌成分におけるサブタイプの割合は純型のものとは異なる傾向がうかがわれた。また、非小細胞肺癌成分と小細胞肺癌成分とでp53やRBの発現に違いがある症例が存在した。今後は空間トランスクリプトーム解析などにより、組織中の形態学的位置情報と紐づいた遺伝子発現データを取得し、非小細胞肺癌成分と小細胞肺癌成分との間にどのような変化が生じているのか解明したい。
|