研究課題/領域番号 |
22K15434
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京農業大学 (2023) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2022) |
研究代表者 |
米谷 達哉 東京農業大学, 応用生物科学部, 研究員 (40915196)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膵がん / がん微小環境 / 細胞間相互作用 / in vitro細胞共培養系 / 膵がんオルガノイド / 膵臓星細胞 / 膵臓がん |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓がん(膵がん)は非常に予後の悪いがんであり、有効な治療法がない。その原因1つが膵がん微小環境の線維化であり、膵がん細胞と間質細胞の膵臓星細胞の相互作用が深く関与するとされるが、詳細なメカニズムは不明であり、また「ヒト」に関する知見が極めて少ない。本研究ではその細胞間相互作用に着目し、メカニズム解明を目指す。 本研究では膵臓星細胞をヒトiPS細胞から作製し、同細胞とヒト膵がん細胞の膵がん微小環境を再現するin vitro共培養系を確立する。その共培養系を用い、ヒト膵がん細胞-ヒト膵臓星細胞間相互作用に関係する因子を探索・同定する。その後、その因子を介した細胞間相互作用のメカニズム解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究はヒト膵がん細胞-ヒト星細胞間相互作用の解明を目的に実施した。まず、当細胞間相互作用を高度にin vitroで解析可能な細胞共培養系の開発を試みた。そして、我々はin vitroで膵がん組織の組織学的特徴を複数有する細胞共培養体の作製に成功した。即ち、新規細胞共培養系の開発に成功した。加えて、本細胞共培養系はヒト膵がん細胞-ヒト星細胞間相互作用を反映し、静止期ヒト星細胞はヒト膵がん細胞の増殖を、活性化ヒト星細胞は薬剤耐性を促進することも示唆された。しかし、膵がん臨床検体間で当細胞間相互作用メカニズムが異なることも示唆され、現在は多様性が発生する前の初期膵がんに焦点を当て研究を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
In vivoでは様々な細胞が相互作用し、その社会を形成している。しかし、そのメカニズムは不明な点が多い。本研究で開発した細胞共培養系は、それらの膵がん以外の分野の細胞間相互作用研究に応用できる可能性を秘める。また、本細胞共培養系はヒト膵がん細胞の検体間の形質の違いを反映したことから、個別化医療への応用も期待できると考えている。一方で、本研究で見出した形態別にヒト星細胞がヒト膵がん細胞に与える影響は新規であり、それをin vitroで証明したことも踏まえ、本研究は大きな学術的意義を有する。本研究の技術や成果、更なる発展が膵がんの新規治療法の開発に寄与することを期待する。
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