研究課題/領域番号 |
22K15465
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
青木 沙恵 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (10908453)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Helicobacter cinaedi / 病原因子 / Autotranspoter protein / ヘリコバクター / NHPH |
研究開始時の研究の概要 |
Helicobacter cinaediは、ヒトの腸に感染し、菌血症や蜂窩織炎の起因菌や、感染性動脈瘤に関連する病原性細菌として報告されており、病原因子として細胞膨化致死因子が知られているが、その他の病原因子はほとんどが不明である。本研究は、これまでに申請者が所属するグループが見出した病原因子と推測されるタンパク質 (H. cinaedi autotransporter protein A; HcaA) について、その立体構造や詳細な機能を明らかにすることで、Helicobacter属菌の新規病原因子の解明や、H. cinaedi感染メカニズムに対する理解につなげることを目的とする。
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研究実績の概要 |
Helicobacter cinaediは、ヒトの腸に感染し、免疫力が低下した易感染者における菌血症や蜂窩織炎の起因菌や、感染性動脈瘤に関連する病原性細菌として報告されている。多彩な病態を示すH. cinaedi感染症は、H. cinaediの生息部位である腸管から血管へ移行することに由来するが、H. cinaediの主要な細菌毒素として知られている毒素は、宿主細胞に対して膨化やアポトーシスを誘導する細胞膨化致死因子(CDT)であり、H. cinaediの組織への侵入機構や、その他の病原因子については、ほとんどが不明である。したがって、H. cinaediは未知の病原因子を有していることが推測される。そこで、本研究は、これまでに申請者が所属するグループが見出した病原因子と推測されるタンパク質 (H. cinaedi autotransporter protein A; HcaA) について、その立体構造や詳細な機能を明らかにすることで、Helicobacter属菌の新規病原因子の解明や、H. cinaedi感染メカニズムに対する理解につなげることを目的として、研究を行っている。これまでに、in vitroにおいて、HcaAをノックアウトすることで、細胞への接着能が低下することを明らかにしている。本年度では、『HcaA産生株および欠損株を用いた感染実験によるHcaAの機能解析』を主題として研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度(2022年度)に計画していた「HcaAの機能解析」および「マウス感染実験」について研究を行った。これまでに、in vitroの実験において、HcaAをノックアウトしたことにより接着能が低下することが明らかにされている。そこで、in vivoにおいても、HcaAのノックアウトにより、感染病態へ影響を及ぼすか評価するため、マウスへの感染実験を行った。 実験では、経口投与により各菌株を投与し、投与後7・14・28日目に解剖した。解剖時に、大腸、盲腸等を採取し、ホモジナイズして寒天培へ塗布、あるいはRNAを抽出しqPCRをおこなうことで、定着した菌数を評価した。また、大腸については免疫染色により視覚的にも菌体の存在を確認した。また、採血も行い、得られた血清を用いてELISA法による抗体価の測定も行った。実験の結果、HcaAノックアウト株は野生株と比べ定着した菌数が少ない傾向が認められた。加えて、H. cinaediに対する抗体価は、野生株およびノックアウト株どちらも上昇したが、野生株でより顕著な増加が認められた。以上より、HcaAが生体への感染あるいは定着に寄与している可能性が示唆された。現在は次年度の研究および初年度に達成できなかったHcaA精製のための準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で、生体内においても、HcaAが接着に寄与している可能性が示された。今後、H. cinaedi感染症におけるHcaAのより詳細な機能を明らかにするため、RNAシーケンス等の解析を行う。また、立体構造を明らかにするため、精製法の確立に取り組む。
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