研究課題/領域番号 |
22K15502
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京情報大学 (2023) 公益財団法人かずさDNA研究所 (2022) |
研究代表者 |
中嶋 隆裕 東京情報大学, 看護学部, 准教授 (90910943)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | T細胞 / 脂質代謝 / アトピー性皮膚炎 / 病原性T細胞 / ACC1 / 脂肪酸 / IL-31 / IL-3 / アレルギー / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質代謝と免疫のクロストークは様々な疾患に関連することが示唆されているが、詳細なメカニズムは不明な部分が多い。今回我々は、アトピー性皮膚炎(AD)モデルマウスにおいてIL-3産生CD4+T細胞が脂肪酸合成を制御するアセチルカルボキシラーゼ1を強く発現していることを見出した。ACC1を介した脂肪酸合成経路がIL-3を産生する皮膚特異的な病原性T細胞を誘導しAD病態を引き起こす原因となっているのではないかと考え、皮膚病原性T細胞の脂肪酸代謝、病態制御の分子作用点、そしてAD誘導に関わる機能性脂質を特定することを目的とし、研究を行う。
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研究成果の概要 |
De novo脂肪酸合成の律速酵素であるACC1をT細胞特異的にKOするACC1コンディショナルノックアウトマウスを用いた実験の結果、ACC1の抑制はヒストンアセチル化の制御を介して皮膚CD4+T細胞のIL-3産生を抑制し、アトピー性皮膚炎モデルマウスの皮膚炎症を抑制できることを示した。また、ACC1の抑制は皮膚T細胞からのIL-31の産生を抑制することも示した。さらにIL-31のノックインノックアウトレポーターマウスを作成し、IL-31KO下ではアトピー性皮膚炎モデルマウスの皮膚炎症が抑制されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎の痒みに寄与するサイトカインであるIL-31についてはまだ不明な部分が多いが、本研究によりACC1の制御によりde novo脂肪酸合成を抑制することでIL-31の産生を抑制できることが示された。IL-31に対しては抗体製剤が実用化されているが、本研究の結果から脂質代謝を標的とした低分子標的薬の創薬につながる可能性がある。また、研究の過程でT細胞が長期培養によりIL-31を多量に産生すること、eTh2に比べmTh2の方がIL-31産生量が多いこと、独自のIL-31レポーターマウス(ノックインノックアウト)の作成など、IL-31産生細胞のプロファイル解明に必要な基盤を創出した。
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