研究課題/領域番号 |
22K15575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
伊藤 雄介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (80931807)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CAR-T細胞療法 / IL-7 / IL-6 / TGF-β / キメラ受容体 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
キメラ抗原受容体導入T細胞療法(CAR-T療法)の登場により、がん治療の成績は向上してきたが、その有効性は未だ限定的であり、主な原因として腫瘍微小環境中の免疫抑制シグナルが挙げられる。 本研究ではこの環境を逆手にとり、種々の免疫抑制因子を捕捉する蛋白とIL-7やIL-21といったサイトカイン受容体の細胞内ドメインを連結させた新規の人工受容体を設計し、CAR-T細胞に搭載することを考案した。これにより、免疫抑制シグナルを回避するのみならず、逆にこれらのシグナル依存性にCAR-T細胞にサイトカイン刺激が入ることで長期生存能を付与し、疲弊を回避することが可能となる。
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研究成果の概要 |
キメラ抗原受容体(CAR: Chimeric antigen receptor)導入T細胞療法(CAR-T療法)は主に造血器腫瘍に対して優れた治療効果を示しているが、副作用としてIL-6によるサイトカイン放出症候群が生じる。そこで、IL-6の受容体に恒常的活性化型IL-7受容体の細胞内ドメインを連結させてT細胞に発現させた。これにより、IL-6を捕捉し、かつT細胞の増殖能を長期間維持することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CAR-T細胞療法は、造血器腫瘍に対して優れた効果を示しているが、多くの固形腫瘍に対しては持続的な効果が得られていない。また、サイトカイン放出症候群といった副作用が懸念されるため、有効性と安全性の両面を高める方策が必要となる。本研究では、サイトカイン放出症候群の引き金となるIL-6を捕捉し、かつT細胞の長期生存に寄与するIL-7のシグナルをT細胞に恒常的に入れる人工サイトカイン受容体を開発した。これを組み込んだCAR-T細胞が長期間にわたり抗腫瘍効果を維持し、かつIL-6の濃度を下げられることを示した。
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