研究課題/領域番号 |
22K15609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松岡 祐子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10879711)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 養子細胞療法 / T細胞老化 / 抗腫瘍活性 / 老化T細胞 / Bach2 / 腫瘍免疫 / エピジェネティック制御 / 代謝リプログラミング / T細胞養子免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
T細胞養子免疫療法は、がん治療の中で最も注目を集める治療法の一つであるが、生体移入後の抗腫瘍効果が細胞の培養条件の影響を受けること、記憶T細胞の分化が十分に誘導されず長期的な抗腫瘍効果が確立できないことなどが問題となっている。この一因としてT細胞の老化誘導が挙げられる。T細胞老化を含むT細胞分化の運命決定には代謝リプログラミングによる細胞内代謝産物の変化が関与している可能性がある。そこで本申請研究では、老化T細胞の代謝状態や代謝産物、遺伝子発現を網羅的に解析し、T細胞老化の防止や老化T細胞除去のための方策を確立する。
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研究成果の概要 |
T細胞養子免疫療法では生体外での長期間の培養が必要であり、場合によっては遺伝子操作も加えられるため、一部のT細胞でT細胞老化が誘導され生体内で十分な抗腫瘍効果を発揮できないことが問題となっている。近年、老化細胞の代謝は正常細胞と異なることが報告されていることから、本研究では老化T細胞の特性を標的とした除去を目標とした。単一細胞RNAシークエンスの結果から、高齢マウス由来T細胞ではエフェクター細胞を多いこと、解糖系関連遺伝子の発現が低い傾向にあることがわかった。今後解糖系以外の代謝経路の検討を行う必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
養子T細胞療法におけるT細胞の品質管理は極めて重要であり、細胞老化を示すT細胞は生体移入前に選択的に除去することが望まれる。近年、老化細胞の代謝は正常細胞と異なることが報告されていることから、本研究では老化T細胞の特性を標的とした除去を目標とした。しかし検討の結果、老化T細胞を排除するための標的因子同定は叶わなかったが、老化T細胞が老化個体において抗腫瘍効果を発揮し、腫瘍排除に機能することを見出した。これまで老化T細胞は抗腫瘍効果を減弱させるものとして考えられていたが、本研究過程において必ずしもそうでないことを明らかにすることができた。
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