研究課題/領域番号 |
22K15957
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金子 達哉 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (90867003)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 病原性ヘルパーT細胞 / 好酸球性食道炎 / 食道アカラシア / Amphiregulin / 食道線維化 / 食道運動障害 / 組織線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性食道炎(EoE)は長期間のアレルギー性炎症により食道の線維化/狭窄を来たす疾患であり、近年食道アカラシアを含む食道運動障害へと進行する可能性が示唆されている。しかしEoEおよび食道アカラシアの病態には未だ不明点が多く根治的な治療法がない。 本研究では食道に高度線維化をきたすEoEマウスモデルを用いて好酸球および病原性ヘルパーT細胞の役割を中心とした炎症・線維化の機序について検討し、食道神経叢の評価を通してEoEと食道アカラシアとの関連について明らかにする。また、その解析データを基盤とし、EoEおよび食道アカラシアの臨床検体について免疫学的評価を行い、病因に基づく新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
申請者は既報のモデルを改良し好酸球性炎症に伴い高度の食道線維化をきたすマウスモデルを確立した。Flow Cytometryや免疫染色等を用い、同モデルの食道において病原性ヘルパーT細胞が増加すること、食道内の病原性ヘルパーT細胞がAmphiregulinを高産生すること、Amphiregulin欠損により食道の線維化が抑制されることなどを明らかにした。さらにヒト好酸球性食道炎症例の食道生検検体においてもAmphiregulin産生病原性ヘルパーT細胞が増加し、食道線維化の程度と相関することを確認した。それらの結果から、病原性ヘルパーT細胞が食道線維化に重要な役割を果たすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果より、病原性ヘルパーT細胞が好酸球性食道炎に伴う食道線維化の予防・治療に関する標的となり得ることが示唆された。また、治療により臨床的/組織学的寛解に至った好酸球性食道炎の症例においても組織中には病原性ヘルパーT細胞が残存することを確認しており、病原性ヘルパーT細胞は炎症再燃や組織線維化を予測する新たなmarkerとなる可能性がある。さらに、本マウスモデルにおいて食道筋層間に存在する神経叢細胞が減少すること、好酸球は筋層を含めた食道全層に分布することを免疫染色により確認しており、今後の追加実験により食道アカラシア発症と好酸球性炎症の関連について新しい知見が得られることも期待される。
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