研究課題/領域番号 |
22K16043
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 克彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (40838843)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 膵癌 / 悪液質 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌において脂肪や筋肉の減少を伴う悪液質は予後不良因子である。申請者はマウス由来膵癌細胞株を用いてimmunocompetentな膵癌モデルである膵同所移植モデルを確立した。膵癌同所移植群においてsham群と比べて性腺周囲脂肪重量が減少しており、悪液質状態を呈している。申請者は膵同所移植モデルの性腺周囲脂肪を用いてRNA Sequenceによるtranscriptome解析を行い、膵癌に伴う悪液質下で脂肪からの分泌が増減する候補タンパクを抽出している。そこで、本研究では各候補タンパクが悪液質の病態および膵癌自体に与える影響をin vitro, in vivoおよびヒト血清を用いて検討する。
|
研究成果の概要 |
膵尾部癌のモデルマウスの性腺周囲脂肪が担癌状態で減少することを確認した。性腺周囲脂肪から分泌されるPTX3が癌を植え込んだマウスの脂肪でsham群と比してmRNA発現が増強し、血中PTX3濃度が上昇することをELISAで確認した。担癌マウスでPTX3が高く、癌植え込み時と3週間後の体重変化量と血清PTX3が相関した。転移を伴う膵癌患者での検討を行うと、PTX3高値は予後不良因子であり、炎症性マーカーである好中球リンパ球比やアルブミン、腫瘍マーカーであるCA19-9と相関することが判明した。またPTX3高値は化学療法導入前後の筋肉量、内臓脂肪の変化量のマーカーであった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪液質は膵癌を含む多くの癌腫で予後不良因子であることが知られている。膵癌同所移植モデルマウスで担癌状態となることで内臓脂肪が減少することを確認し、内臓脂肪から分泌される悪液質マーカーをRNA sequenceで検討した。同定された血清マーカーPTX3は、遠隔転移を伴う膵癌患者において、炎症と関連する予後因子であり、内臓脂肪、筋肉量減少のマーカーであった。PTX3は膵癌患者の悪液質進行のマーカーとして期待される。
|