研究課題/領域番号 |
22K16107
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
呉 家賢 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (10908528)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 動脈硬化 / 血管内皮健常性 / 長鎖ノンコーディングRNA / 血管障害 / 生活習慣病 / 内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化に伴う血管障害は世界的に見ても長年死亡原因一位となっている。病理形成の中心となる「血管内皮機能の障害」を標的とした治療法は未だにない。私はこれまでに特定の長鎖ノンコーディングRNAを抑制することで内皮細胞機能を健常化することを見出したが、その詳しいメカニズムや動脈硬化に対する抑制効果は解明されていない。本研究では、遺伝子網羅的解析(RNA-seq)を用いて長鎖ノンコーディングRNAを介した血管内皮機能に関する分子メカニズムを明らかにし、さらに遺伝子欠損マウスを用いて動脈硬化の進展に対する抑制効果を生体内で評価する。本研究の成果は、将来的に動脈硬化の予防、治療を新たな選択肢になることが期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究では、新たに発見した長鎖ノンコーディングRNA(LncX)の発現抑制による内皮健常性の維持効果を、生体外および生体内での動脈硬化保護効果やメカニズムについて解明した。その結果、LncXヘテロ欠損マウスにおいて、高脂肪食の負荷下で大動脈全体に形成される脂肪プラークの面積が、コントロールマウスと比べて減少することが確認された。さらに、網羅的遺伝子解析(RNA-seq)を用いて分析した結果、細胞周期に関わる遺伝子群の発現量が減少し、細胞間接着などに関わる遺伝子の発現量が上昇することが明らかになった。これらの成果から、LncXによる内皮健常性維持を介した新たな動脈硬化抑制メカニズムが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虚血性心疾患をはじめとする動脈硬化性疾患は、世界的に長年にわたり死亡原因の1位となっており、動脈硬化の克服は喫緊の課題である。スタチンを始めとする脂質を標的にした治療法は動脈硬化の軽減に非常に有効であるが、動脈硬化性疾患の克服には未だ不十分であり、さらなる治療法の開発が望まれている。本研究成果は内皮細胞健常性に焦点をあて、動脈硬化の成因と治療法に新な見解を与えることができたと考える。
|