研究課題/領域番号 |
22K16121
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
浅野 遼太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (60827004)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 肺高血圧症 / 門脈圧亢進症 / メタボローム解析 / メタゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
門脈圧亢進に関連した肺動脈性肺高血圧症 (PoPH)は治療抵抗性で予後不良の難病である。PoPHの腸内細菌叢に注目すると、他のPAHサブグループと同様の腸内細菌叢変化を示す一方で、ある特定の細菌群は特徴的に変化していた。PoPHでは、門脈圧亢進とそれに伴う門脈-体循環シャントの存在が必須で、 腸内細菌叢由来代謝物が肺動脈に直接流入し肺動脈リモデリ ングを誘導すると仮説を立てた。そこで、PoPH患者の便及び血液検体を用いて、メタゲノム解析、メタボローム解析、動物実験を行い、肺高血圧症重症度と関連する細菌やその代謝物を探索し、難病PoPHの新しい病態形成機序の解明と新規治療標的を探索する。
|
研究成果の概要 |
肺高血圧症(PH)は肺血管のリモデリングにより肺動脈圧上昇から右心不全に至る予後不良の難病であるが、その病態形成機構は明らかになっていない。我々はPH発症に環境因子(炎症、毒物、薬剤、ホルモンなど)が必要であることから腸内細菌叢に注目して研究を実施してきた。その中で肝臓を介して肺動脈に至る腸内細菌由来代謝物がPH病態形成に重要である実験結果を得た。腸内細菌代謝物によって肺の免疫細胞が活性化し、病態促進に関わっていると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により肺動脈性肺高血圧症(PAH)病態形成の鍵が腸内細菌由来代謝物である可能性を見出した。門脈圧亢進に関連したPH(PoPH)を含むPAHは厚労省指定の特定疾患であり、本研究成果により腸内細菌叢を標的とした新しい治療法開発に繋がれば非常に社会的意義は大きい。またPAH発症の前段階に環境因子としての腸内細菌叢変容が先行して存在している可能性もある。今後発症前の検体を集積し解析を進めれば発症予防にもつなげられる可能性もある。
|