研究課題/領域番号 |
22K16131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 愛巳 東京大学, 医学部附属病院循環器内科, 特任助教 (60832045)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心不全 / 酸化的リン酸化 / 抗酸化作用 / 単一細胞解析 / RNA motion / single cell RNA-seq / singlecell-RNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
経時的なsingle cell RNA-seqのデータから、数理モデルを用いて、心臓内の全ての細胞を同一空間、同一時間軸に配置し、3Dアニメーションを作成する。これを、RNA motionと名付けた。 全ての生命現象は、細胞間相互作用なくしては成立しない。多細胞間相互作用とそのダイナミクスの研究は、生命現象の本質に迫る研究と考えられる。ただ、この研究は多くの細胞の挙動が同時多発的に関与しているため、それらを俯瞰的に解釈することは、非常に難しい。 本研究では、圧負荷心不全モデルマウスの心臓の各種細胞のデータを統合し、3Dアニメーションを用いて4次元で表現することで、複雑な生命現象の理解に挑戦する。
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研究成果の概要 |
圧負荷モデルマウスの心筋細胞single cell RNA-seqのデータを統合し解析を行った。時系列のsingle cell データを用いることで、実際 の時間の流れに沿った、実際の変化を観察することができた。圧負荷1週から2週の間では、O X P H O S関連の遺伝子群が、 著明に上昇していた。更に、圧負荷2週から4週の間では、抗酸化ストレス関連の遺伝子群が、著明に上昇していた。このことから、圧負荷 開始後は、OXPHOSをこれまで以上に亢進させ、心収縮力を保とうとするも、それが持続すると、ROSが蓄積し、酸化ストレス応答が生じることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全は未だ予後不良の疾患であり、患者数も増加の一途を辿っている。病態が非常に複雑で多因子疾患であるため、根本的な治療法は見つかっていない。この状況において、心不全の病態解明は喫緊の課題であり、新規心不全病態制御因子の発見が待たれている。本研究は、心不全モデルマウスを用いて、心不全の進行による遺伝子発現の変化を時系列で追い、病態変化の過程を詳細に検証した。その結果、心不全進行の過程では、前期は酸化的リン酸化が亢進し、後半で抗酸化応答が生じていた。ヒト心不全患者の過程に当てはめると、前半が代償期で後半が非代償期であると考えられる。この病態過程を意識した治療が有効な新規治療につながる可能性がある。
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