研究課題/領域番号 |
22K16144
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
三浦 俊輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90814442)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | T細胞 / ミトコンドリア / 心不全 / Hexokinase / ヘルパーT細胞 / 圧負荷心不全 / ヘキソキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
圧負荷心不全の進行においてTh1細胞やTh17細胞等の炎症性サイトカインを産生するヘルパーT細胞を介した反応が関与していることが明らかにされている。Hexokinase 1(HK1)はミトコンドリア外膜に存在する電位依存性陰イオンチャネル(VDAC)に結合することにより、ミトコンドリアの代謝を調整することが知られており、HK1がミトコンドリアから脱結合したヘルパーT細胞においては、Th1細胞からのInterferon-γ(IFN-γ)産生が低下する等の抗炎症作用が確認できる。本研究は、T細胞ミトコンドリアからのHK1の脱結合が抗炎症作用を介して圧負荷心不全の進展を抑制するという仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、T細胞のHexokinase 1(HK1)をミトコンドリアから脱結合させることがTh1細胞やTh17細胞の抑制を介し、圧負荷心不全進展を緩和させるか否かを明らかとすることを目的とした。微小管重合阻害薬であるノコダゾールはHK1をミトコンドリアから脱結合させ、Th1細胞におけるミトコンドリア呼吸を抑制し、IFN-γ等の炎症性サイトカインの産生も低下させた。大動脈縮窄手術による心不全モデルマウスにおいても、ノコダゾール の投与は、マウスの心臓及び縦郭リンパ節内のエフェクターT細胞の減少やCD4T細胞からのIFN-γ産生の低下が観察され、心不全に伴う炎症を抑制する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HK1をミトコンドリアから脱重合させることは、ミトコンドリア代謝を変化させることにより、Th1細胞やTh17細胞からのサイトカイン産生を減少させ、圧負荷心不全進展を抑制することが示唆された。HK1をミトコンドリアから脱重合させる微小管重合阻害薬は、圧負荷心不全の進展を抑える可能性が考えられ、高血圧性心疾患や大動脈弁狭窄症等の後負荷が上昇し引き起こされる心不全に対する臨床応用が期待される。
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