研究課題/領域番号 |
22K16238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今泉 貴広 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40867769)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 腎病理 / メタボローム解析 / 糸球体腎炎 / ネフローゼ症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、従来の疾患分類に重きを置いた腎生検の分類に対して、構造的特徴に着目した「部位別腎病理スコア」の考え方と機能的特徴に着目したメタボローム解析を融合させることで、全く新しい評価系を確立し、幅広い腎疾患の予後推定を行う研究である。名古屋大学腎臓内科及びその関連病院20以上の関連施設との間で構築した腎生検レジストリー事業で収集した検体を用いて研究を実施する。 構造的特徴として、診断分類とは独立して腎病理標本中の糸球体、尿細管・間質、血管といった部位別に病変の特徴を定量的に評価する「部位別腎病理スコア」を開発する。次にメタボローム解析結果と組み合わせて予後予測モデルの構築を行う。
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研究実績の概要 |
具体的内容:構造的特徴に着目した「部位別腎病理スコア」と機能的特徴に着目したメタボローム解析を組み合わせた評価系を確立、幅広い腎疾患の予後推定を行うため、今年度は名古屋大学腎臓内科学の関連病院から収集する腎生検患者におけるアウトカム情報収集システムの設定と腎生検情報の標準化を進めた。具体的な研究課題として、微小変化型ネフローゼ症候群の予後予測ついて取り組んだ。研究データベースから臨床情報、病理組織情報、そして検体検査データを抽出し、治療反応性の予測を行った。従来から用いられてきたSelectivity indexについて、腎機能障害時に診断精度が低下することを見出した。今後、腎病理組織の体系化と、検体の新規測定を行い、診断予測、治療反応性予測の精度を向上することを目指す。 意義・重要性:これまで年度ごとに記載方法が標準化されていなかった背景情報、腎生検所見に関して、年度ごとの情報を統合してデータベース化することで迅速な研究実施を可能にした。また、アウトカム情報の収集システムにより、これまで病院への物理的な訪問や事務的な手続きを要してきた臨床情報の収集を簡便化し、情報漏洩のリスクを減らしながら研究効率を高めることにつながると考えられる。アウトカム情報の収集体制が確立し、情報収集が行えるようになることで、希少疾患であるネフローゼ症候群、腎炎症候群の組織情報とアウトカム情報を豊富に取りそろえるデータベースが完成する。これにより新薬の開発や研究の実施可能性事前調査などを容易にすることができ、さらなる研究の発展に寄与するであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
名古屋大学腎臓内科学の関連病院から収集する腎生検のアウトカム情報に関する電子的入力システムの設定を概ね完了することができた。今後は少数の関連病院において実施テストを行った後に本格稼働を目指す。本システムの本格稼働により、アウトカム情報の収集を迅速化することが期待できる。経年的に蓄積してきた関連病院からの臨床情報、腎生検病理組織情報、診断情報などがそれぞれの年度ごとに蓄積されていたが、年度ごとに標準化されていなかった。これらの腎生検記録や情報についての標準化を行い、また腎生検所見の定量的な記載を開始した。主だった腎疾患に関してデータベース化を行い、研究基盤を整えることが目標である。2004年から2021年までに名古屋大学関連病院で実施した初回腎生検(腎移植後のプロトコル腎生検を除く)症例約8000例に関して、まず記載方法の共通項目が多い2014年以降のデータ約5000件を用いて、原疾患、病理所見に関する情報の整理を行い、ライブラリ化を推進することとした。具体的な研究については、まずはネフローゼ症候群に関して、従来から微小変化型ネフローゼ症候群の治療反応性の予測に用いられてきたSelectivity index(SI)について、検討することとした。ネフローゼ症候群1445症例のうち、SIを含む臨床情報を持つ604症例において、臨床情報、病理組織情報、そして検体検査データを用いて治療反応性の予測を行った。このうち微小変化型ネフローゼ症候群は207名であり、SI低値は同疾患において特徴的所見であることが再確認された。しかし、診断時に腎障害が合併している場合にはその有用性が高くないことが明らかとなった。検体を用いてさらに新たなバイオマーカー(メタボローム解析を含む)を実施することはできなかったが、研究基盤の構築を概ね終えることができたため、順調に進展しているものと考えた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、腎病理組織をさらに詳細に評価し、体系化を行い、臨床情報と診断情報、アウトカム情報を紐づけた検体ライブラリの確立を目指す。さらに、検体を用いてメタボローム解析を含む新規バイオマーカー測定を行い、診断予測、治療反応性予測の精度を向上することを目指す。また、具体的研究課題については、微小変化型ネフローゼ症候群の治療反応性についての検討をさらに進展させる。
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