研究課題/領域番号 |
22K16266
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
粟澤 遼子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20457675)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 血管肉腫 / カポジ肉腫 / 琉球諸島 / 宮古諸島 / 血管内皮細胞 / 古典型カポジ肉腫 / 頭部血管肉腫 / 発症頻度 / 腫瘍免疫 / HHV8 / ウイルス発癌 / 遺伝子変異 / 遺伝子発現 |
研究開始時の研究の概要 |
頭部血管肉腫とカポジ肉腫は脈管内皮細胞に由来する悪性腫瘍であるが、その病態や予後は著しく異なる。私共はこれまでの疫学調査で、頭部血管肉腫は琉球諸島において世界頻度の3-5倍、古典型カポジ肉腫は原因ウイルスHHV8の浸淫地区である宮古諸島において日本本土の約1000 倍の頻度で好発する事を明らかにした。 本研究課題では、沖縄県に好発する頭部血管肉腫およびカポジ肉腫のトランスクリプトームおよびエクソームデータの群間比較解析を通して、特に血管肉腫での免疫微小環境やドライバー変異を網羅的に解析し、多数の新規免疫チェックポイント因子阻害薬の中から最適な治療標的を選択するアルゴリズムを開発する。
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研究成果の概要 |
沖縄県に好発する頭部血管肉腫およびカポジ肉腫のトランスクリプトームおよびエクソームデータの群間比較解析を通して、特に血管肉腫での免疫微小環境やドライバー変異を網羅的に解析し、多数の新規免疫チェックポイント因子阻害薬の中から最適な治療標的を選択した。 マクロファージの貪食作用を抑制する自然免疫系のチェックポイント因子であるCD47-SIRPα系の遺伝子発現が予後不良群で有意に高い結果を得た。多数の免疫チェックポイント阻害経路の蛋白の、腫瘍組織での発現を免疫組織染色にて確認を続けている。腫瘍ドライバー変異についても血管肉腫とカポジ肉腫の臨床情報との相関を解析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、世界でも稀にみる大規模の単施設コホートを用いた頭部血管肉腫の統合的遺伝子解析で、遺伝子変異のみならず腫瘍微小環境を標的にした遺伝子発現解析も行った。微小環境の正確なプロファイルを得るために、ストップコドン、フレームシフト、エクソンスキップ等の機能的な蛋白発現のないと考えられる変異RNA発現配列を削除した機能的発現遺伝子に限定した独特のアルゴリズムを用いた。これにより、続々と開発される新規の免疫チェックポイント阻害薬から、各希少腫瘍にも既存の検体で最適標的を選択しえる、将来の治療へ直結する解析手法である。
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