研究課題/領域番号 |
22K16419
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
武友 保憲 近畿大学, 医学部, 講師 (20580591)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 1型糖尿病 / 2型糖尿病 / インスリン分泌 / HLA / 1型糖尿病 / 2型糖尿病 / 膵β細胞機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
1型糖尿病と2型糖尿病は、いずれも遺伝因子と環境因子の相互作用によって発症する多因子疾患である。1型糖尿病は膵β細胞の自己免疫性破壊、2型糖尿病はインスリン抵抗性によるインスリン作用低下とそれを凌駕するだけのインスリン分泌能の不足によって生じ、発症機序に差はあるものの、インスリン分泌障害という病態を共有しており、膵β細胞の脆弱性に関わる遺伝因子を共有している可能性がある。本研究では、1型糖尿病、2型糖尿病の病型を超えた膵β細胞脆弱性の規定因子を解明し、β細胞機能障害の進展を阻止する新たな治療法確立につなげることを目的とする。
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研究実績の概要 |
(1)1型糖尿病と2型糖尿病共通の疾患感受性遺伝子の検討:9番染色体上のGLIS3遺伝子は、欧米における全ゲノム関連解析の結果、1型糖尿病と2型糖尿病のいずれに対しても疾患感受性遺伝子座として同定されていることから、膵β細胞の脆弱性に関わる可能性がある。そこで欧米において関連を認めたGLIS3 rs7020673について関連解析をおこなったところ、1型糖尿病(Gアリル頻度:患者51.3% vs. 健常対照者49.5%, p=0.55)、2型糖尿病(患者44.4% vs. 健常対照者49.5%, p=0.09)ともに有意差に至らず、本邦においてGLIS3遺伝子が両病型共通の疾患感受性遺伝子と言える結果は得られなかった。 (2)残存インスリン分泌能と遺伝因子・臨床指標との関連:同意を取得した164例(急性発症102例、緩徐進行62例)において、急性発症・緩徐進行の両群別に、空腹時血清Cぺプチドを目的変数、HLA疾患感受性・抵抗性ハプロタイプの遺伝子型(DR4/DR4、DR9/DR9、DR4/DR8、DR4/DR9、A24/A24 or A24/X、DR2/DR2 or DR2/X)保有の有無を説明変数とし重回帰分析を行うと、急性発症において、DR4/DR9で有意な負の相関(急性:偏回帰係数-0.3048、P=0.0121)を認めた。また、臨床指標(罹病期間、発症年齢、BMI、AITD合併、GAD抗体陽性、IA-2抗体陽性、膵頭関連自己抗体複数陽性、CSII使用)を説明変数とし、重回帰分析を行うと、両群で、罹病期間で有意な負の相関(急性発症:偏回帰係数-0.025、P<0.001、緩徐進行:偏回帰係数0.0187、P=0.0168)を認めた。以上より、罹病期間は長いこと、DR4/DR9を保有することが、残存インスリン分泌能低値に寄与する独立した規定因子であることが明らかとなった。
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