研究課題/領域番号 |
22K16529
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐谷 翔 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50934048)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 質量分析計 / 膵腫瘍 / 正診率 / 機械学習 / 癌診断装置 / 膵癌 / 血清 / 化学療法 / 集学的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の医学の発展により、種々の癌で治療選択肢が増加している。膵癌もその1つであり、外科手術と化学療法の組み合わせ治療により、さらに治療成績が良くなってきている。しかし、すべての症例がこの恩恵を受けるわけでは無い。症例によってすぐに手術すべき症例がいたり、化学療法の種類によっても効きの良し悪しが存在する。現時点では、その質問に明瞭に答えてくれるマーカーが存在しない。質量分析計は膨大な生化学情報を一律に提示する装置である。これらを機械学習を用いて統合することで、わずかな生化学的な差を見出す診断装置を開発している。この新たな診断装置が現在の癌診療の根幹に割って入ることができるか、検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、Probe Electrospray Ionization-Mass Spectrometry (PESI-MS)という新しい質量分析計および血清サンプルを用いて、膵腫瘍に対する診断精度を多角的な方面から検証する研究である。本診断体制の最大の特徴は迅速かつ少量検体で診断できる点にあり、臨床でのdemandingに応答する。昨年度に引き続き、令和5年度は膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の癌化に対する診断精度を検証した。IPMNは非常に診断の難しい膵腫瘍の1つであり、大枠の治療方針は確立してきているが、最終診断は摘出後の病理診断に大きく頼る必要があり、すなわちover treatmentおよびunder treatmentが生じうる。本診断装置による癌化の正診率は88.1%であり、実臨床に十分対応できるレベルであった。この研究結果はAnnals of Surgeryに掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年間の研究で2本の論文化しており、順調に研究が進んでいる。最終年度は膵癌の化学療法応答性についての診断精度を検証し、まとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
膵癌症例の血清検体はおおむね回収が終了している。本年度はその血清検体を質量分析計および機械学習で診断し、精度について検証する。
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