研究課題/領域番号 |
22K16571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
竹内 由利子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00938392)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 線維芽細胞 / 細胞シート / 気管支断端瘻 / 再生医療 / 動物モデル / 積層線維芽細胞シート / 創傷治癒 |
研究開始時の研究の概要 |
肺切除術後の重篤な合併症である気管支断端瘻の原因として気管支断端の血流不足による創傷治癒遅延が挙げられる。予防のため断端補強を含めた様々な工夫が行われているが、確立した予防法は未だ存在しない。我々の研究室で独自に開発された積層線維芽細胞シートは、血管新生を介して難治性皮膚潰瘍の治癒促進をもたらすことが証明されており、既に臨床研究が実現している。この細胞シートが気管支断端に対しても有効に作用し、気管支断端瘻の新たな予防法となり得るのではないかと考えた。実臨床への応用を目指す上で、よりヒトに近い大型動物での検討が必要と考え、イヌ気管支断端モデルを用いて積層線維芽細胞シートの有効性の検討を行う。
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研究実績の概要 |
肺切除後の気管支断端における積層線維芽細胞シートの移植による血流増加作用および気管支断端部の補強効果を大型動物で調べるため、イヌの気管支断端モデルを用いて検討を行った。 まず、イヌの口腔粘膜から単離した線維芽細胞を6-well plateに2.5×10^5 cells/ml播種し、2週間培養することで、シート化(厚さ50~60μ、直径1.5cm)することに成功した。気管支断端部に移植する際のハンドリングは、スプーン状の機器を用いることにより効果的に断端部を覆うことができた。さらに、イヌ1頭にて気管支断端モデルの作成を試みた。全身麻酔下に、自動縫合器を用いて気管支を切断・閉鎖したのち、積層線維芽細胞シートを、断端を覆うように2枚貼付した。モデルの作成はスムーズであったが、術後管理や犠牲死後の組織摘出の過程において、術後の創感染や気管支断端周囲の癒着を認め、やや難渋した。細胞シート移植群の気管支断端には高度な組織増生が見られ、組織学的にも膠原線維の存在が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イヌの気管支断端モデルへの線維芽細胞シートを貼付とその組織標本の解析という、主たる実験計画は、概ね滞りなく進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、イヌ気管支断端モデルに対する細胞シート移植群の頭数を増やし、さらにコントロール群も追加する予定である。
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