研究課題/領域番号 |
22K16708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
遠藤 健太郎 東京医科歯科大学, 統合研究機構, プロジェクト助教 (30844378)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 細胞老化 / 変形性膝関節症 / 滑膜 / 間葉系幹細胞 / 軟骨 / ABT-263 / 老化細胞除去薬 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性膝関節症(OA)に対する治療法の開発は喫緊の課題である。これまでに申請者らは、世界に先駆けて自己滑膜間葉系幹細胞(MSCs)注射がOA治療効果を有することを実証してきた。しかし、近年の老化研究にて、OA患者の滑膜MSCsには老化細胞が多数混入しており、それによりOA治療効果が阻害されるという新たな問題が明らかとなった。申請者は老化細胞除去薬ABT-263により、OA患者由来滑膜MSCs中の老化細胞の割合が顕著に低下することを見出した。本研究では、ABT-263により質の悪い老化細胞のみを除去することで、OA患者由来滑膜MSCsの高品質化を試み、より有効性の高いOA治療の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
老化細胞除去薬ABT-263による変形性膝関節症(OA)患者由来滑膜間葉系幹細胞(MSCs)の高品質化を試みた。ABT-263処理により老化細胞数は減少し、コロニー形成能や軟骨分化能が向上した。しかし、一時的な増殖能の低下が見られ、より低ストレスな方法として、細胞サイズと自家蛍光に基づく分取による高品質化について検討した。結果としては、小サイズ、低自家蛍光の細胞を選択的に分取することで、コロニー形成能や軟骨分化能を大きく向上させることが可能であり、drug-freeでの高品質化に成功した。現在、本法により高品質化した滑膜MSCの機能およびOA治療効果について詳細な検討を実施中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢性疾患である変形性膝関節症(OA)は有症状者数が多いにも関わらず根本的な治療法が存在せず、対症療法が行われている。超高齢化を迎えた本邦では、OA治療法の開発は社会的に喫緊の課題である。本研究の成果は、これまでの滑膜間葉系幹細胞(MSCs)注射によるOA治療効果を老化生物学的観点から向上させることで、より患者満足度の高いOA治療法の開発につながると考えられる。また、薬剤を用いない新たなMSCs純化方法により、老化細胞を除去し、MSCsを若返らせる技術を開発できたことから、膝関節を含め様々な分野でのMSCsを用いた再生医療の質の向上につながることが期待される。
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